2024年9月8日日曜日

成年後見関係事件の概況

 成年後見関係事件の概況 リンク先は裁判所

https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/kouken/index.html


たった16ページしかないので,必ず目を通すことが大切です。見た方が頭に残りやすいからです。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題83

「成年後見関係事件の概況(平成31年1月~令和元年12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 「成年後見関係事件」の「終局事件」において,主な申立ての動機として最も多いのは,預貯金等の管理・解約であった。

2 「成年後見関係事件」の「終局事件」において,市区町村長が申立人となったものの割合は,全体の約5割であった。

3 後見開始,保佐開始,補助開始事件のうち「認容で終局した事件」において,親族以外の成年後見人等の選任では,社会福祉士が最も多い。

4 「成年後見関係事件」のうち「認容で終局した事件」において,開始原因として最も多いのは,統合失調症であった。

5 「成年後見関係事件」の申立件数に占める保佐開始の審判の割合は,全体の約7割であった。


ちょっと古い問題ですが,傾向は現在と同じです。


この時は,申立人のうち,最も多かったのは子でしたが,現在は市区町村長が最も多くなっています。


それでは,解説です。


1 「成年後見関係事件」の「終局事件」において,主な申立ての動機として最も多いのは,預貯金等の管理・解約であった。


これが正解です。この傾向はずっと同じです。


2 「成年後見関係事件」の「終局事件」において,市区町村長が申立人となったものの割合は,全体の約5割であった。


市区町村長による申立てが最も多くなったと言え,まだ2割ちょっとです。


3 後見開始,保佐開始,補助開始事件のうち「認容で終局した事件」において,親族以外の成年後見人等の選任では,社会福祉士が最も多い。


親族以外の成年後見人等は,司法書士が最も多くなっています。


4 「成年後見関係事件」のうち「認容で終局した事件」において,開始原因として最も多いのは,統合失調症であった。


開始原因は,認知症が最も多くなっています。


5 「成年後見関係事件」の申立件数に占める保佐開始の審判の割合は,全体の約7割であった。


保佐開始は,2割程度です。

7割を占めるのは,後見開始です。


なお,補助開始と任意後見監督人選任は1割未満です。

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