2017年11月1日水曜日

得点力を上げる勉強法とは?

今日から11月です。

勉強法を間違わなければ,これからの3か月間でも十二分に合格できる実力はつけられます。


どんな模試でも70点を超えることがないという人でも,12月からスパートをかけて,合格をつかみ取った人はたくさんいます。


40歳,50歳だから・・・と言う声も聞くこともありますが,年齢はそんなに関係しません。

最後は「合格したい」という意欲の強さが物を言います。

逃げ道は作らないようにしましょう。


覚えられない,と思うと心が弱くなります。マイナス言葉はやめましょう。


さて,今日のテーマは,「得点力を上げる勉強法とは?」です。


知識をつける勉強法ではありません。

得点力を上げる勉強法です。


ちゃんと勉強して過去に受験した経験のある人なら,合格するために必要な知識が足りない,ということはないと思います。


国試は60問も間違うことができます。


得点力を上げるコツは,法制度をしっかり覚えることです。



法制度の科目で最も点数が取りにくいのは,「福祉行財政と福祉計画」ではないでしょうか。

今,いろいろな団体が模擬試験を実施しています。

本試験でもこの科目が0点になる人が多いようです。


しかし,しっかり法制度を押さえておけば,0点にならないばかりか,得点を稼ぐ科目にもなり得る可能性があります。


人名や歴史は,合格する人でも苦手としています。


合否を分けるのは,そういうものではなく,法制度をいかにしっかり覚えるかです。



法制度を覚えるコツは,参考書とにらめっこするよりも,これからは,過去問や模擬問題集などを解いて覚えた方が良いです。


市町村なのか,都道府県なのか。

義務なのか,任意なのか。

標準なのか,基準なのか。

根拠法は何なのか。

調和なのか,一体なのか,整合性なのか。

ほかにもたくさんあります。

参考書で学んでいると,実際にどのように出題されているのか分かりません。

実際に問題を目にすると,答えに迷うのが国試です。


曖昧な知識では,法制度はすぐ引っ掛けられてしまうのです。
得点力は,法制度をしっかり押さえることに他なりません。


そのコツは,問題を使って,定着させることです。


<合格までのプロセス>

知識がない ➡ 曖昧な知識 ➡ しっかりした知識 ➡ 得点力アップ ➡ 国試合格


書いて覚える人もいるでしょう。


これから書くのは,新しい発見,(何度も)間違った問題だけで良いです。

国試でどのように出題されているかのも分からずに,ひたすら参考書の内容を写し取るといった非効率な勉強はやめましょう。

これは,来年度以降受験する人も一緒です。


さて,今日の問題です。


25回・問題125


労働契約や就業規則に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 事業所の規模に関係なく,使用者は就業規則を作成し,所轄の労働基準監督署に届け出なければならない。


2 使用者は就業規則を,労働者に対して周知する必要がある。


3 労働契約が就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める場合は,労働契約で定める基準が有効になる。


4 使用者は時間外労働や休日労働について,就業規則に規定しておくことで,労働者に命令することができる。


5 使用者は就業規則の変更によって労働条件を変更しようとする場合,労働者に不利益な内容であっても,労働者の過半数の合意をとれば変更できる。



今日の問題は,労働基準法と労働契約法からの出題です。


ロンドンでブースが行った貧困調査で明らかになったのは,雇用や環境の問題です。

国家が貧困問題に関与していくことが必要であることを証明するものでもありました。


無産階級である労働者は,労働力を商品にして賃金を得ます。

商品となる労働力の金額は,雇用者が決めます。

その金額に納得できる人を採用します。

つまり基本的には,労働力は買い手市場にあり,労働力に低い金額しかつけられなかった時,労働者は貧困になります。

ブースの調査によってロンドン市民の実に3割が貧困線以下の生活を送っていることが分かりました。

国が労働者を保護しないと労働者はいつも弱い立場にあることを忘れてはいけません。


なお,日本の労働者保護の法律は,工場法(1911)が最初です。

この法律は戦後労働基準法(1947)が成立するまで存続しました。

労働契約法は2007年に成立のまだ新しい法律です。



労働基準法は,労働条件を規定する法


労働契約法は,契約のルールを規定する法



労働基準法は,労働基準監督署が厳しい目で監視しています。

労働契約法は民法の発展版の位置付けなので,違反があっても労働基準監督署の指導は行われることはありません。


それでは詳しく見て行きましょう。


1 事業所の規模に関係なく,使用者は就業規則を作成し,所轄の労働基準監督署に届け出なければならない。


これは労働基準法からの出題です。

「事業所の規模に関係なく」が間違いです。

10名以上の労働者を雇用する事業者が対象となります。

よって間違いです。

この問題は知らなくても×はつけられることでしょう。

なぜなら「事業所の規模に関係なく」といったわざわざ条件をつけているのは,また外選択肢をつくるための常とう手段だからです。


2 使用者は就業規則を,労働者に対して周知する必要がある。


これも労働基準法からの出題です。

これが正解です。

就業規則を作成しても,労働者がそれを知らなければ意味はありません。
当然だと思いませんか?


3 労働契約が就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める場合は,労働契約で定める基準が有効になる。


これは労働契約法からの出題です。

いかにルールという感じですね。

労働契約の方が低い場合,それが有効となるのであれば,就業規則は何の意味もなくなります。おかしな問題ですね。


もちろん無効となります。

そして有効となるのは就業規則の基準です。

よって間違い。


4 使用者は時間外労働や休日労働について,就業規則に規定しておくことで,労働者に命令することができる。


これは労働基準法からの出題です。

大きな組織にいる人なら「36(サブロク)協定」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

労働組合などと36協定を結んでおけば,時間外労働などを命じることができます。

よって間違い。


5 使用者は就業規則の変更によって労働条件を変更しようとする場合,労働者に不利益な内容であっても,労働者の過半数の合意をとれば変更できる。


これは労働契約法からの出題です。

労働基準法も労働契約法も労働者を保護するための法律です。

労働者に不利なことは認めることはないです。就業規則を変更する時は,労働者の合意が必要で,たとえ合意があっても不利益な内容には変更できないことになっています。

よって間違い。


法制度の問題を解く時には,その法律はなぜ作られたのかを考えると解ける問題もあります。

覚えるときも,ここを意識すると得点力が上がります。

逆に・・・

機械的に覚えることは,得点力を上げることにはなかなかつながりません。

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