今日のテーマは,障害福祉サービスにかかわる専門職の整理です。
相談支援専門員
➡ 配置されるのは,相談支援事業所です。
障害者のケアマネジメント及びモニタリングを行います。
介護保険では,居宅ケアマネに相当します。
居宅ケアマネとの相違点は,居宅系サービスだけではなく,施設入所支援の利用者のケアマネジメントも行う点です。
サービス管理責任者(サビ管)
➡ 配置されるのは,生活介護,共同生活援助,就労移行支援,就労継続支援などの事業所です。
個別支援計画の作成を行います。
サービス提供責任者(サ責)
➡ 配置されるのは,居宅介護などの訪問系サービス事業所です。
居宅介護事業所のサ責は,訪問介護計画の作成義務があります。
※居宅介護事業所は,介護保険の訪問介護事業所です。
さて,3職種の配置と業務を押さえて,それでは今日の問題です。
第23回・問題133
障害者支援の専門職の役割に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 相談支援専門員は,利用者が障害福祉施設等への入院又は入所を希望する場合は,病院又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う。
2 相談支援専門員は,モニタリングに当たっては,少なくとも2か月に1回,利用者宅を訪問し面接を行う。
3 サービス管理責任者は,サービス等利用計画作成に関わる業務を担当する。
4 居宅介護事業所の規模に応じて,サービス管理責任者が配置される。
5 サービス管理責任者は,原則として直接サービスの提供を行う生活支援員と同じ者でなければならない。
分からないものもあるでしょう。
しかし,詳しく見ていきますね。
障害者支援の専門職の役割に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 相談支援専門員は,利用者が障害福祉施設等への入院又は入所を希望する場合は,病院又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う。
相談支援専門員は,ケアマネジメントを行う専門職です。
ケアマネジメントには,紹介等の業務も含まれます。サービス等利用計画を作成するたけではありません。
よって正解です。
2 相談支援専門員は,モニタリングに当たっては,少なくとも2か月に1回,利用者宅を訪問し面接を行う。
相談支援専門員は,ケアマネジメントを行う専門職です。モニタリング(経過観察)はとても重要な業務です。
「障害者のモニタリングは,2か月に一回で良いんだって」という話を介護保険の居宅ケアマネが聞いたら,とてもうらやましく感じるのではないでしょうか。
居宅ケアマネにとってはケアプランを作成することよりもむしろモニタリングの方が大変だからです。
高齢者が1か月に1回,障害者が2か月に1回で良い,なんてアンバランスが存在するわけがありません。
もちちん,障害者のモニタリングも1か月に1回です。
よって間違いです。
3 サービス管理責任者は,サービス等利用計画作成に関わる業務を担当する。
サービス等利用計画を作成するのは,相談支援専門員です。
よって間違いです。
サービス管理責任者(サビ管)は,個別支援計画を作成します。
4 居宅介護事業所の規模に応じて,サービス管理責任者が配置される。
居宅介護事業所は,介護保険の訪問介護事業所です。
訪問介護事業所に配置されるのはサービス提供責任者(サ責)です。
よって間違いです。
サ責は訪問介護計画を作成します。
5 サービス管理責任者は,原則として直接サービスの提供を行う生活支援員と同じ者でなければならない。
サビ管は,個別支援計画を作成します。
生活支援員と同じ者でなければならないという規定があるならば,サービス管理責任者≒生活支援員ということになってしまいます。
それは変ですよね。
サビ管はサビ管,生活支援員は生活支援員です。
こんな規定はありません。
よって間違いです。
<サビ管とサ責の整理のポイント>
サビ管とサ責が混同しがちです。サ責が配置されるのは訪問介護系サービスであることを考えると理解しやすいと思います。
<今日のまとめ>
サビ管は,個別支援計画を作成!
サ責は,所択介護計画を作成!