2017年12月2日土曜日

国試に合格する勉強とは?~年金保険の受給資格期間を徹底整理!

日本の社会保険は,年金,医療,労災,雇用,介護の5種類です。

そのうち,年金保険は,加入期間がとても重要です。


今年は老齢年金の受給資格期間25年から10年に短縮されました。

大きな変更です。絶対に押さえておきたいです。

今後,何十年にわたって語り継がれるターニングポイントとなるでしょう。

皆さんは,歴史の目撃者です!!


民年金

老齢基礎年金 ➡ 保険料納付済期間+保険料免除期間=10年以上。

 ※25年が10年に短縮されたことにより,従来あった「合算対象期間(カラ期間)」の合算はなくなっています。

障害基礎年金 ➡ 保険料納付済期間+保険料免除期間=被保険者期間の3分の2以上

遺族基礎年金 ➡ 障害基礎年金と同じ。


これらで分かることは,保険料免除の期間がとても重要だということです。

保険料免除(全額免除,4分の3免除,半額免除,4分の1免除) 
            ➡ 免除された分は国庫負担分が支給金額に反映される。

 法定免除 ➡ 生活保護受給者,障害基礎年金受給者。

 申請免除 ➡ 低所得者,DV被害者。※DV被害者は特例免除。

申請免除の場合は,申請しないと未納扱いになるので注意が必要です。

厚生年金

 老齢厚生年金 ➡ 保険料納付済期間+保険料免除期間=10年以上。

 障害厚生年金 ➡ 保険料納付済期間+保険料免除期間=被保険者期間の3分の2以上

 遺族厚生年金 ➡ 障害厚生年金と同じ。


保険料免除

 産前産後休業期間中 ➡ 免除期間中は,保険料を納付したとみなされる。

 育児休業等期間中  ➡ 免除期間中は,保険料を納付したとみなされる。


さて,これをもとに今日の問題です。

23-55 事例を読んで,障害基礎年金に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。

〔事 例〕

Cさんは,若いときから30年間,自営業者として働いてきた男性で,妻は専業主婦,18歳未満の子どもが二人いる。仕事には浮き沈みがあったので,仕事の調子が悪かった5年間,Cさんは,国民年金の保険料免除手続きをしていたが,15年間の国民年金保険料の納付履歴を持っている。最近は仕事も順調で,年金保険科を支払っていたが,不運にも交通事故に遭い,仕事を続けることができなくなった。

1 Cさんの保険料納付期間は15年間であり,加入期間30年の3分の2に到達していないから,障害基礎年金を受給することはできない。

2 Cさんが1級の障害基礎年金を受給することになった場合,その額は2級の障害基礎年金の額の1.25倍である。

3 Cさんは障害基礎年金を受給することができるが,保険料納付は加入期間30年の2分の1なので,障害基礎年金の額は半額となる。

4 Cさんが受給する障害基礎年金には,子ども二人分の加算はない。

5 Cさんが受給する障害基礎年金には,配偶者加算がある。

法制度の事例問題は,相談援助の事例問題と違い,法制度が知らないと絶対に解けません。

それでは確認していきましょう。

1 Cさんの保険料納付期間は15年間であり,加入期間30年の3分の2に到達していないから,障害基礎年金を受給することはできない。


この場合は,免除期間が決め手です。納付期間15年+免除期間5年=20年となります。

20年はちょうど30年の3分の2となります。

よって間違いです。


2 Cさんが1級の障害基礎年金を受給することになった場合,その額は2級の障害基礎年金の額の1.25倍である。


説明しませんでしたが,1級は,2級の1.25です。

よって正解です。

これは障害厚生年金も同じです。


3 Cさんは障害基礎年金を受給することができるが,保険料納付は加入期間30年の2分の1なので,障害基礎年金の額は半額となる。

障害基礎年金,遺族基礎年金ともに定額制です。


納付期間によって年金額が変わるのは,老齢基礎年金のみです。

よって間違いです。


4 Cさんが受給する障害基礎年金には,子ども二人分の加算はない。

さて,加算についてです。

子の加算    ➡ 障害基礎年金
配偶者加給年金 ➡ 障害厚生年金


このような仕組みになっています。しっかり覚えておきましょう。


子は障害基礎年金。配偶者は障害厚生年金。


何度も声に出して言いましょう! リピート!


子は障害基礎年金。
配偶者は障害厚生年金。

さて問題に戻ります。

子は障害基礎年金。よって間違いです。

5 Cさんが受給する障害基礎年金には,配偶者加算がある。


配偶者は障害厚生年金。


よって間違いです。

<今日の一言>

国試は,深い知識は問われません。

基礎的な知識をしっかりつけた人は点数が取れます!!


※2017/12/01の深夜に一度アップしましたが,修正してアップし直しています。
12/2の0:00~6:00にご覧いただいた方はご注意ください。

最新の記事

ソーシャルワーク4科目で合格をつかむ

ソーシャルワーク系の4科目は,社会福祉士になるためにはとても重要な科目です。 今日は,そのうちの共通科目の「ソーシャルワークの基盤と専門職」です。 少し難しいかもしれませんが,しっかり覚えれば点数を稼ぐ科目になります。 それでは,今日の問題です。 第26回・問題91  2007年...

過去一週間でよく読まれている記事