その分,制度が少し複雑です。
しかし,整理すれば決して難しくないです。
今日は,保険料の猶予,免除,未納を整理してみたいと思います。
保険料猶予
猶予は,納付義務がありますが,事情を考慮して,後払い(つまり追納)にしてくれるものです。追納は過去10年までさかのぼって行うことができます。学生納付特例制度と納付猶予制度(若年者納付猶予制度の対象を50歳未満まで広げたもの)があります。
学生の場合は,本人の所得が規定以下であれば,申請すれば親の所得に関係なく猶予を受けられます。納付猶予の場合は,本人と配偶者の所得が規定以下の場合に申請することで猶予を受けられます。
猶予の場合は,追納しないと将来受け取る年金額に反映されません。
免除
失業などで保険料が納付できなくなった場合に,免除してくれる制度です。全額免除と一部免除があります。
全額免除の場合は,国庫負担分(2分の1)が年金額に反映されます。
生活保護受給者,障害基礎年金受給者は法定免除,失業者やDV被害者は申請することで免除されます。
未納
保険料を納付しないことです。
未納の場合も追納することができますが,さかのぼることができるのは,過去5年分です。年金受給資格を得る期間が25年から10年に短縮されたときに,追納できる期間が2年から5年に拡大されました。
追納
免除,猶予を受けていた場合,追納することで,将来の受け取る年金額を増やすことができます。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題53 国民年金制度の保険料に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 60歳以下の者が生活保護を受給している場合,生活扶助費に国民年金保険料分が加算される。
2 20歳以上の学生は,学生を扶養する親の前年の所得が一定額以下である場合,学生納付特例制度を利用することができる。
3 基礎年金の給付に要する費用に対する第三号被保険者の負担は,第一号被保険者全体の保険料負担から拠出されている。
4 障害基礎年金を受給している場合,国民年金保険料の納付は免除される。
5 若年者納付猶予制度により,保険料納付の猶予を受けた者が保険料を追納しなかった場合,当該期間の国庫負担分のみが老齢基礎年金の支給額に反映される。
正解は,選択肢4ですね。障害基礎年金の受給者と生活保護受給者の保険料は法定免除です。
簡単に解説します。
1は,生活保護受給者の保険料は法定免除です。介護保険の第1号被保険者は生活扶助に介護保険料加算が上乗せして給付されます。
2は,学生納付特例制度は,本人の所得は関係しますが,親の所得は関連しません。
3は,第3号被保険者の保険料は,第2号被保険者の保険料全体の保険料負担から拠出されています。
4は,正解です。
5は,猶予の場合は,追納しなければ,年金額に反映されません。ここが免除と違うところです。
このように,ポイントを押さえれは,決して難しくはないです。
落ち着いて覚えていきましょう!!