2018年7月9日月曜日

社会保障の攻略法~医療保障の基本

日本の医療保障制度は,国民皆保険が特徴です。

基本は,いずれかの医療保険の被保険者,生活保護受給者は医療扶助により,医療を受けます。

医療保険は,

被用者保険(健康保険,船員保険,共済組合)
国民健康保険(市町村国保,国保組合)
後期高齢者医療制度

があります。

健康保険は,中小企業等のサラリーマンが加入する協会けんぽ(前身は政府管掌健康保険),大企業等が保険者の健保組合があります。

それでは,今日の問題です。

第23回・問題52 医療保障制度に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の前身は,中小企業等で働く従業員やその家族が加入していた政府管掌健康保険である。

2 後期高齢者医療制度の被保険者は,日本に住む75歳以上の高齢者のみである。 

3 後期高齢者医療制度の運営主体は,市町村単位の広域連合である。

4 前期高齢者医療制度は,国民健康保険・被用者保険の各保険者が,被保険者の所得に応じて費用負担を調整している。

5 大企業等で働く従業員やその家族が加入する組合管掌健康保険においては,すべての組合の保険料率は同率である。

現在は,この問題は成立しません。

なぜなら,出題当時は,選択肢1が正解でしたが,現在は選択肢4も正解になるからです。

選択肢4については特に要注意です。

なぜなら,平成29年7月までは,後期高齢者支援金は,各保険者の加入者数に応じて負担していましたが,同年8月から被保険者の所得に応じて負担する「総報酬割」を取っているからです。

選択肢2は,65~74歳も一定の障害状態のある者も対象です。

選択肢3は,都道府県単位の全市町村が加入する広域連合(後期高齢者医療広域連合)が保険者となります。

選択肢5は,組合健保の保険料率は,規定の範囲内で,各保険者が決定しているので,保険料率は同じではありません。


<今日の一言>

現在は高齢者医療を現役世代から切り離されて,後期高齢者医療制度かありますが,日本の医療保険は,長く健康保険と国民健康保険の2本立てとなっていました。

健康保険と国民健康保険の大きな違いの一つには,健康保険には被扶養者があり,国民健康保険には,被扶養者という制度はなく,75歳未満の世帯員全員分の保険料を納付します。世帯主が健康保険の被保険者であっても,納付義務は世帯主に課せられています。

日本の社会保険は,社会保険料のほかに公費も使われることが特徴ですが,共済組合には国庫補助はありません。

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