合格できる勉強法~基礎勉強をしっかり行う重要性
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ここにも書いたように,問題文の文字数が多いことは,引っ掛けポイントがいくつも作れるので,国試の難易度が上がります。
逆に,文章が長くなれば,余計な言葉が入ってくるので,勘の良い人は,知識がなくても解けます。
勉強した人が解けて,勉強が足りない人は解けない。
これが正しい国試のあり方です。
問題を一問見てみましょう。
第26回・問題52 社会保険の適用対象や給付と負担に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民年金の被保険者としての期間がなかった者でも,国民年金法に定める給付を受けられる場合がある。
2 国民健康保険は,農業者や自営業者等を対象とするものであり,事業所に使用される者は対象とはならない。
3 国民年金の第3号被保険者は,専業主婦など夫に扶養されている妻を対象とする制度であり,妻に扶養されている夫は対象にならない。
4 健康保険法及び厚生年金保険法で定める標準報酬月額の上限は,同一である。
5 生活保護を受けている者は,介護保険の保険料を拠出できないので,介護保険に加入できない。
第26回でもすでに文字数は少なくなっていますが,余計な言い回しは随所に見られます。
1 国民年金の被保険者としての期間がなかった者でも,国民年金法に定める給付を受けられる場合がある。
2 国民健康保険は,農業者や自営業者等を対象とするものであり,事業所に使用される者は対象とはならない。
3 国民年金の第3号被保険者は,専業主婦など夫に扶養されている妻を対象とする制度であり,妻に扶養されている夫は対象にならない。
4 健康保険法及び厚生年金保険法で定める標準報酬月額の上限は,同一である。
5 生活保護を受けている者は,介護保険の保険料を拠出できないので,介護保険に加入できない。
アンダーライン部分が余計な部分です。
人は嘘をつくとき,饒舌になる
の典型的なパターンです。
もう一つ典型的だと言えば,
あいまい表現に正解多し
も見受けられます。
そう,答えは,選択肢1です。
勘の良い人は,理由は分からなくてもこれを正解選択肢として選べるはずです。
年金制度は複雑なので覚えるのが面倒ですが,障害基礎年金は,20歳前傷病の場合は20歳になったら年金がもらえる場合があります。なぜ「もらえる場合がある」という表現をしているかと言えば,本人の収入によっては年金は受け取れないからです。
遺族基礎年金の場合は,18歳以下の子はもらえる場合もあります。これも「もらえる場合がある」という表現をしているのは,子が婚姻していたらもらえないからです。
他の選択肢は
2は,健康保険の加入対象にからない人は,国民健康保険に加入しなければなりません。
3は,第3号被保険者は,第2号被保険者の被扶養配偶者なので,妻も夫も対象なります。
4は,健康保険と厚生年金保険の標準報酬月額の上限は異なります。金額まで覚える必要はありません。
5は,第1号被保険者になれます。保険料は,生活扶助の介護保険料加算として給付されます。
さて,最新の国試問題です。
第30回・問題51 社会保険の保険者に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民年金の保険者は,日本年金機構である。
2 介護保険の保険者は,国である。
3 国民健康保険組合の保険者は,市町村である。
4 健康保険の保険者は,全国健康保険協会及び健康保険組合である。
5 労働者災害補償保険の保険者は,都道府県である。
無駄な言い回しが一切ないので,日本語的に答えを導くことができません。
知識がある人は解けますし,知識がない人は解けません。
実はこの問題は多くの人が引っ掛けられた問題です。
正解は4ですが,3をうっかり選んでしまいそうになります。
3が間違いのは,市町村国民健康保険なら,保険者は市町村及び都道府県ですが,この選択肢は,国民健康保険組合なので,保険者は国保組合ということになります。
1は,国民年金の保険者は政府です。
2は,介護保険の保険者は,市町村(及び市町村の広域連合)です。
5は,労災保険の保険者は,政府です。雇用保険も同じです。
<今日のまとめ>
おそらく,第31回の問題も第30回と同様の基準で問題をつくられることでしょう。
言い回しで答えがわかる問題は少ないことが想像できます。
第30回と違うだろう,と想像するのは,
選択肢の中にもっともらしい文章で,見たことがないものを入れ込んでくる
作問する際,この処理をすることで,問題を正解することがかなり難しくなります。
しかし多くの場合,
そこには正解選択肢は配置されない
しっかり勉強した人は正解できるはずです。
勉強が足りない人は,その選択肢に動揺し,頭が真っ白になって,間違えます。
理想的な国試問題となります。
国試は,しっかり勉強した人が解けて,勉強が足りない人が解けない問題でなければならないのです。