日本では,社会保険は,年金保険,医療保険,労災保険,雇用保険,介護保険の5つがあります。
社会扶助方式は,税を財源とするもので,公的扶助,社会手当,各福祉サービスがあります。
さて,児童に関する手当は社会扶助方式の社会手当に当たります。
児童に関する手当
一般児童を対象 → 児童手当(児童手当法)
一人親などの児童を対象 → 児童扶養手当(児童扶養手当法)
障害児を対象 → 特別児童扶養手当(特別児童扶養手当法)
これらのうち,財源に事業主の拠出金(こども・子育て拠出金)が使われているのは,児童手当です。
社会扶助で事業主の拠出金があるのはとても珍しいものではないでしょうか。
それでは今日の問題です。
第22回・問題51 我が国の社会保障制度に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 民間被用者に関する児童手当には,事業主の拠出金がある。
2 健康保険及び国民健康保険には,事業主の負担がある。
3 児童扶養手当の支給は,婚姻を解消した父等が児童に対して履行すべき扶養義務の程度を軽減する。
4 児童手当制度は,所得制限が設けられていない普遍的給付である。
5 児童手当制度は,第2子から支給される。
答えは,ズバリ選択肢1です。
児童手当の財源は,事業主の拠出金(こども・子育て拠出金)と公費です。
公費は,国が3分の2,地方が3分の1を負担しています。
健康保険・厚生年金などと違って,労使折半ではなく,事業主のみが負担しています。
平成30年から,事業主の拠出金(こども・子育て拠出金)の負担が大きくなっています。
そのほかの選択肢も見ていきましょう。
1は,正解。
2は,国民健康保険には事業主負担はありません。
3は,児童扶養手当法に「児童扶養手当の支給は、婚姻を解消した父母等が児童に対して履行すべき扶養義務の程度又は内容を変更するものではない」と規定されています。
4は,児童手当には所得制限があります。民主党政権時代に「子ども手当」が給付されていましたが,同手当は所得制限がありませんでした。
5は,第1子から支給されます。法ができた当初は,第3子から支給されましたが,現在は第1子から支給されています。