2018年8月7日火曜日

障害者総合支援法の整理~障害児支援~その2

障害児が利用できるサービスの多くは,児童福祉法に規定されています。

障害者総合支援法の中でも以下の訪問系サービスは,障害児でも利用できます。

居宅介護
行動援護
同行援護
重度障害者等包括支援

しかし重度訪問介護は含まれないことに注意しましょう。

ただし,15歳以上の障害児は,重度訪問介護も含めたそれ以外の障害福祉サービスも児童相談所長が必要だと認めた時,市町村に通知することで利用できます。

それでは今日の問題です。

第28回・問題59 事例を読んで,F君が利用できる「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 F君(9歳,男児)は,自閉症を伴う知的障害があり,特別支援学校小学部第3学年に在学中である。以前,障害福祉サービスの利用を申請し障害支援区分3(行動関連項目の合計点は10点)の認定を受けていたが,現在,サービスは利用していない。最近になって,時々激しい自傷行為や物を壊す行動がみられるようになり,両親は,F君が日常生活を安全に過ごす方法として障害福祉サービスの利用を検討している。

1 生活介護

2 重度訪問介護

3 療養介護

4 同行援護

5 行動援護 

15歳以上ならこれらすべての障害福祉サービスは利用できる可能性があります。

しかしF君は,9歳の障害児です。

年齢の区分で,生活介護,重度訪問介護,療養介護は利用できません。

残るのは同行援護と行動援護ですね。


この2つは本当に紛らわしいです。


同行援護は,視覚障害者の外出支援です。

行動援護は,知的障害者・精神障害者の外出支援です。


F君は,知的障害児なので,使えるのは行動援護だということになります。

よって正解は5です。


児童福祉法に基づく障害児支援はまた別の機会に紹介します。



<今日の一言>

障害児が使える障害福祉サービスは,訪問系サービスです。

しかし,重度訪問介護は対象外です。

なぜか過去問では,重度訪問介護は障害児も対象となる,といった間違い選択肢として出題されることが多いです。

15歳以上になると使えるサービスの種類は増えますが,15歳未満の障害児が使えるサービスは限られます。

しっかり覚えておきましょう。

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