2018年8月19日日曜日

児童福祉法に規定される障害児支援の徹底理解~その3

児童福祉法に規定される障害者支援の徹底理解の最終回です。

少しは理解が進んできたでしょうか。

覚えるポイント
障害児通所支援と障害児入所支援を整理すること

まだ整理が十分ではないという方は,前回と前々回を復習しましょう。

https://fukufuku21.blogspot.com/2018/08/blog-post_17.html

https://fukufuku21.blogspot.com/2018/08/blog-post_18.html



それでは,早速今日の問題です。


第27回・問題61 児童福祉法における障害児支援に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 児童発達支援は,肢体不自由のある児童を通わせ,医療などのサービスを提供することをいう。

2 保育所等訪問支援の目的は,障害が疑われる児童の早期発見である。

3 放課後等デイサービスは,障害児の生活能力の向上のために必要な訓練,社会との交流の促進などを図るためのサービスを提供することをいう。

4 福祉型障害児入所施設は,医療の提供が必要な障害児を対象としている。

5 児童発達支援センターには,福祉型児童発達支援センター,医療型児童発達支援センター,発達障害者支援センターの三つがある。


知識ゼロで正誤が判断できそうなものは,選択肢4くらいでしょうか。福祉型と言いながら医療となっているからです。

それ以外は知識ゼロでは分からないのではないでしょうか。

知識がある人と知識がない人ではこのような問題でどんどん差がついていきます。

それでは解説です。


1 児童発達支援は,肢体不自由のある児童を通わせ,医療などのサービスを提供することをいう。

肢体不自由児に対する医療を含めた通所サービスは,医療型児童発達支援です。

よって間違いです。児童発達支援は,通所で日常生活の基本動作の指導,知識技能の付与,集団生活への適応訓練などを行います。

医療型児童発達支援は,これに医療が加わります。


2 保育所等訪問支援の目的は,障害が疑われる児童の早期発見である。

保育所等訪問支援は,障害児が通所している保育所等を訪問して,障害児以外の児童との集団生活に適応するための支援を実施します。

2018年改正では,訪問先に乳児院と児童養護施設が追加されています。

障害の早期発見ではありません。よって間違いです。


3 放課後等デイサービスは,障害児の生活能力の向上のために必要な訓練,社会との交流の促進などを図るためのサービスを提供することをいう。

「放課後や休日に」という条件は省かれていますが,これが正解です。

放課後等デイサービスとは,放課後や休日に,生活能力向上のための訓練,社会交流の促進などを行います。


4 福祉型障害児入所施設は,医療の提供が必要な障害児を対象としている。

福祉型障害児入所施設は,入所して日常生活の基本動作の指導,知識技能の付与,集団生活への適応訓練などを行います。よって間違いです。

医療の提供が必要な障害児を対象としているのは,医療型障害児入所施設です。


5 児童発達支援センターには,福祉型児童発達支援センター,医療型児童発達支援センター,発達障害者支援センターの三つがある。

児童発達支援センターは,児童発達支援の福祉型児童発達支援センターと医療型児童発達支援の医療型児童発達支援センターの2つがあります。

発達障害者支援センターは,発達障害者支援法に基づくセンターです。児童発達支援センターではありません。よって間違いです。

ずいぶん上手にまとめた問題だと思います。

発達障害者支援センターは,発達障害者・家族に対する相談・助言,就労支援。そして関係機関や団体の従事者に対する情報提供,研修などを行います。

研修を行うというところから想像がつくと思いますが,設置するのは市町村ではありません。市町村は専門職に対する研修等は実施しないからです。

設置しているのは,都道府県(及び指定都市)はセンターを指定するか,自ら運営します。

ただし必置ではありません。

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