早速,今日の問題です。
第24回・問題59 生活保護における扶助の種類とその内容に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 死亡した被保護者が単身世帯の場合には,行旅死亡に準じて取り扱われ葬祭扶助は行われない。
2 医療扶助により,入院中の被保護者に対しては入院患者日用品費が支給される。
3 教育扶助により,高等学校等就学費が支給される。
4 住宅扶助によって家賃,間代,地代は支給されるが,敷金,礼金,不動産手数料等は支給されない。
5 生業扶助は要保護者の稼働能力を引き出し,それを助長することによって,その自立を図ることを目的としている。
初めて出題されたのは葬祭扶助です。
そのほかのものは,何度か見ましたね。
それでは解説です。
1 死亡した被保護者が単身世帯の場合には,行旅死亡に準じて取り扱われ葬祭扶助は行われない。
行旅死亡とは,名前や住所が判明せず,行き倒れになることです。
行旅死亡の場合は,行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年)が適用され,行き倒れになった市町村が火葬と埋葬を行います。
被保護者が死亡した場合は,葬祭を取り扱った人に対して,葬祭扶助が支給されます。よって間違いです。
実は,単身世帯の被保護者がなくなった場合も,行旅病人及行旅死亡人取扱法は適用されます。
どのような場合かと言うと,遺品整理などです。生活保護法には規定がないので,市町村が責任を持って遺品整理を行うことになります。
2 医療扶助により,入院中の被保護者に対しては入院患者日用品費が支給される。
入院患者日用品費は,被保護者が入院した場合の生活扶助の一般生活費です。医療扶助ではありません。よって間違いです。
3 教育扶助により,高等学校等就学費が支給される。
高等学校等就学費は,生業扶助です。よって間違いです。
4 住宅扶助によって家賃,間代,地代は支給されるが,敷金,礼金,不動産手数料等は支給されない。
住宅扶助によって,敷金,礼金,不動産手数料等も支給されます。よって間違いです。
5 生業扶助は要保護者の稼働能力を引き出し,それを助長することによって,その自立を図ることを目的としている。
これが正解です。生業扶助は要保護者の稼働能力を引き出し,それを助長することによって,その自立を図ることを目的としたものです。