ここからがますます重要になる時です。
モチベーションを保ちつつ,基礎力をつけていきましょう!!
今回から現・生活保護法を取り上げていきます。
社会保障制度審議会の1962年勧告では,
社会保障制度を3つに分けて
一般所得階層は,社会保険制度が対応
低所得者層は,社会福祉制度が対応
生活困窮者は,生活保護制度が対応
と提言しています。
それでは早速今日の問題です。
第22回・問題57 我が国の社会保険と生活保護の制度概念に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 社会保険は対象を労働者に限定しているのに対し,生活保護は対象を就労困難者に限定している。
2 社会保険は保険料を納付することにより受給資格が生じるのに対し,生活保護は住民税を納付することにより受給資格が生じる。
3 社会保険は資力調査を課すのに対し,生活保護は所得調査を課す。
4 社会保険は特定の保険事故に対して給付を行うのに対し,生活保護は貧困の原因を問わず,困窮の程度に応じ必要な保護を行い,最低限度の生活を保障する。
5 社会保険は救貧的機能を果たし,生活保護は防貧的機能を果たす。
社会保険制度と生活保護制度の違いを問う問題は,第22回・第25回・第29回に出題されています。
この科目の内容は繰り返し出題されるものが多いので,三回に一回という出題頻度は多い方ではありませんが,しっかり押さえておきたいです。
それでは解説です。
1 社会保険は対象を労働者に限定しているのに対し,生活保護は対象を就労困難者に限定している。
これは間違いです。
社会保険は,条件に合う人は強制加入なのが特徴です。労働者に限定されているわけではありません。
生活保護は,生活に困窮した人を無差別平等で救済します。就労困難者に限定されいるほわけではありません。
2 社会保険は保険料を納付することにより受給資格が生じるのに対し,生活保護は住民税を納付することにより受給資格が生じる。
これも間違いです。社会保険は,事前の保険料の納付が受給の要件ですが,生活保護は,事前の税の納付は,受給の要件ではありません。
3 社会保険は資力調査を課すのに対し,生活保護は所得調査を課す。
社会保険は,保険事故が生じた場合に給付されます。
生活保護は,資力調査(ミーンズテスト)を課します。
所得調査は,社会手当の受給に対して行います。
4 社会保険は特定の保険事故に対して給付を行うのに対し,生活保護は貧困の原因を問わず,困窮の程度に応じ必要な保護を行い,最低限度の生活を保障する。
これが正解です。
現・生活保護法は,日本国憲法第25条が規定する生存権を具現化するための法律です。
生活保護の目的は,最低限度の生活保障と自立の助長です。
5 社会保険は救貧的機能を果たし,生活保護は防貧的機能を果たす。
社会保険は,保険事故が発生した場合,自動的に給付されます。
例えば老齢年金は,65歳になったら,所得保障として年金が給付されます。
そのため,防貧的と言われます。
生活保護は,生活に困窮した人に給付します。そのため,救貧的と言われます。よって間違いです。
<今日の一言>
今日の問題は,生活保護制度の特質を表したものです。
それぞれ,しっかり押さえておきたいです。