2019年10月17日木曜日

国保連は苦情申立てを行う機関です

今回も国保連(国民健康保険団体連合会)を取り上げたいと思います。

介護保険にかかわる国保連の業務

業務内容
①介護保険の保険給付にかかわる審査・支払業務。
②介護保険サービスの質の向上に関する調査及びサービス事業者に対する助言・指導。
③介護保険サービス事業及び介護保険施設の運営。
④その他,介護保険事業の円滑な運営に資する事業。


②にかかわるものとして,介護保険サービスに関する苦情を受けます。

不服申立てと苦情申立ては,しっかり整理して覚えたいです。


介護保険審査会
国保連
運営適正化委員会
受付内容
不服申立て
苦情申立て
苦情申立て
不満対象
行政処分
提供されたサービス
提供されたサービス
業務内容
審査請求に対する
審理及び裁決
助言及び指導
解決に向けたあっせん


それでは,今日の問題です。


第29回。問題132 介護保険制度における国民健康保険団体連合会の役割に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 要介護度ごとに定められる区分支給限度基準額を決定する。

2 利用者からの苦情を受けて,サービス事業者に対する必要な指導及び助言を行う。

3 事業者・施設の利用料金,職員研修の実績などに関する介護サービス情報の公表を行う。

4 第一号被保険者の保険料の特別徴収を行い,それを各市町村に納入する。

5 介護保険審査会を設置し,市町村の処分に対する不服申立ての審理・裁決を行う。



正解はすぐ分かりますね?

正解は選択肢2

2 利用者からの苦情を受けて,サービス事業者に対する必要な指導及び助言を行う。

国保連は,利用者からの苦情を受けて,サービス事業者に対する必要な指導及び助言を行います。

福祉サービスの苦情を受け付ける運営適正化委員会(都道府県社協に設置)は,苦情の解決に向けたあっせんを行うにとどまりますが,国保連は,指導を権限があることが特徴です。


それでは,ほかの選択肢も見ていきましょう。

1 要介護度ごとに定められる区分支給限度基準額を決定する。

区分支給限度基準額は,厚生労働大臣が決定します。


3 事業者・施設の利用料金,職員研修の実績などに関する介護サービス情報の公表を行う。

介護サービス情報は,都道府県知事が公表します。


4 第一号被保険者の保険料の特別徴収を行い,それを各市町村に納入する。

特別徴収を行って市町村に納入しているのは,日本年金機構です。

5 介護保険審査会を設置し,市町村の処分に対する不服申立ての審理・裁決を行う。


介護保険審査会は,都道府県が設置します。


<今日の一言>

国保連は,国民健康保険法の規定によって設立される公法人です。

苦情申立ての受付機関であることは,社会福祉法に規定される運営適正化委員会と同じですが,運営適正化委員会は,苦情解決に向けたあっせんを行うのにとどまるのに対して,国保連は,サービス事業者に対する助言,そして指導まで行う権限を持つことが特徴です。

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