2020年1月7日火曜日

子ども・子育て支援法の徹底理解

子ども・子育て支援法は,2012(平成24)年に成立した,児童福祉にかかわる法制度の中では新しめの法律です。

この法は,内閣府の所掌事務です。
また,この法の実施に関する主体は市町村です。

子ども・子育て支援法の概要
子ども・子育て支援給付
子どものための
現金給付
児童手当法に規定される児童手当の支給
子どものための
教育・保育給付
施設型給付
認定こども園(4類型)、幼稚園、保育所に対する給付
地域型保育給付
小規模保育,家庭的保育,居宅訪問型保育,事業所内保育に対する給付
子育てのための施設等利用給付
子どものための教育・保育給付の対象外のもので,市町村が確認したものに対する給付。
地域子ども・子育て支援事業
利用者支援事業
地域子育て支援拠点事業
妊婦健康診査
乳児家庭全戸訪問事業
養育支援訪問事業・子どもを守る地域ネットワーク機能強化事業(その他要保護児童等の支援に資する事業)
子育て短期支援事業
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)
一時預かり事業
延長保育事業
病児保育事業
放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)
実費徴収に係る補足給付を行う事業
多様な主体が本制度に参入することを促進するための事業


支給対象
子どものための現金給付
15歳に達する日以後の最初の331日までの間にある児童の保護者に支給。
子どものための教育・保育給付
小学校就学前子どもの保護者に支給。
子育てのための施設等利用給付


幼児教育・保育の無償化について


2019年10月から,幼児教育・保育が無償化されました。

それは,「子どものための教育・保育給付」,つまり,認定子ども園,幼稚園,保育所,地域型保育が無償化されたことを意味します。

無償化の年齢区分
3歳から5歳までの子ども
すべての子どもが無料
0歳から2歳までの子ども
住民税非課税世帯


それでは,今日の問題です。

第29回・問題136 子ども・子育て支援法に規定されていることとして,正しいものを1つ選びなさい。

1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。

2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。

3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。

4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。

5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。



子ども・子育て支援法はまだ新しい法律であるためなのか,出題されたのはこの科目では,この時が唯一です。

さて,この問題の正解は,選択肢5です。

5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。

「子どものための教育・保育給付」は,認定こども園(4種類),幼稚園,保育所の利用料に対する給付です。
給付名称から,その給付対象を推測しにくいので,要注意です。

それでは,ほかの選択肢も見てみましょう。


1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。

子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は,市町村の責務です。
児童福祉法には,入所系施設がありますが,子ども・子育て支援法には,通所系サービスしかないので,市町村が行える事務なのです。


2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。

思わず,これを正解にしてしまいそうですが,「一般事業主行動計画」が規定されているのは,次世代育成支援対策推進法に規定されるものです。


3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。

病児保育事業は,地域子ども・子育て支援事業13事業の一つです。
地域型保育事業は,「小規模保育」,「家庭的保育」,「居宅訪問型保育」,「事業所内保育」の4事業です。


4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。

子ども・子育て会議は,内閣府に置かれています。
子ども・子育て支援法は,内閣府の所掌事務だからです。


<今日の一言>


幼児教育・保育の無償化に伴い,3歳から5歳までの障害児の障害児通所支援及び入所支援の利用料も無料化されています。

様々なコンセンサスを得るのに時間がかかり,児童手当がようやく制度化されたのは,1971(昭和46)年のことでした。

子どもに関する施策は,いつの時代も政治と強く関係します。

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