それでは,早速今日の問題です。
第22回・問題137 事例を読んで,保育所の対応に関する次の記述のうち,児童虐待の防止等に関する法律に照らし,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
F子はP市に住んでおり市内の保育所に通っている。保育士がF子のほほに叩かれたような痣を発見した。1か月ほど前にも痣のようなものに気付いたことがあったので,虐待かもしれないと思い,所長に報告した。母子家庭ということであったが,最近,男性が送迎していることもある。母親は体が弱いということで就労していないが,生活状況についてはよく分からないことも多く,経済的には苦しいらしい。所内でF子への対応に関して協議が行われた。
1 F子に痣の原因を確かめてから,P市に通告することにした。
2 お迎え時に母親に痣の原因を確かめた上で,P市に通告することにした。
3 虐待であると確認できないため,所長の指示でP市に通告しないことにした。
4 安全確保のため帰宅させず,保育所で預かることにした。
5 速やかにP市に通告することにした。
虐待に関する事例問題の場合の基本は,
まずは「通告」(通報)!
でしたね。
ということで,正解は選択肢5です。
5 速やかにP市に通告することにした。
そのほかの選択肢
1 F子に痣の原因を確かめてから,P市に通告することにした。
2 お迎え時に母親に痣の原因を確かめた上で,P市に通告することにした。
3 虐待であると確認できないため,所長の指示でP市に通告しないことにした。
これらは,すべて通告は「虐待があったどうか」をポイントにしています。
虐待があったかどうかではなく,「虐待を受けたと思われる」場合に通告義務があります。
4 安全確保のため帰宅させず,保育所で預かることにした。
一時保護は,児童相談所の役割です。
<今日の一言>
通告義務違反に罰則はありません。
というよりも,罰則を設けるのはかなり困難です。
「虐待を受けたと思われる」の判定を明確には行うことはできないからです。