2020年1月11日土曜日

児童虐待防止法の徹底理解~通告義務のその2

今回も児童虐待防止法を学びましょう。

それでは,早速今日の問題です。

第22回・問題137 事例を読んで,保育所の対応に関する次の記述のうち,児童虐待の防止等に関する法律に照らし,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕
 F子はP市に住んでおり市内の保育所に通っている。保育士がF子のほほに叩かれたような痣を発見した。1か月ほど前にも痣のようなものに気付いたことがあったので,虐待かもしれないと思い,所長に報告した。母子家庭ということであったが,最近,男性が送迎していることもある。母親は体が弱いということで就労していないが,生活状況についてはよく分からないことも多く,経済的には苦しいらしい。所内でF子への対応に関して協議が行われた。

1 F子に痣の原因を確かめてから,P市に通告することにした。

2 お迎え時に母親に痣の原因を確かめた上で,P市に通告することにした。

3 虐待であると確認できないため,所長の指示でP市に通告しないことにした。 

4 安全確保のため帰宅させず,保育所で預かることにした。

5 速やかにP市に通告することにした。


虐待に関する事例問題の場合の基本は,

まずは「通告」(通報)!


でしたね。

ということで,正解は選択肢5です。

5 速やかにP市に通告することにした。

そのほかの選択肢

1 F子に痣の原因を確かめてから,P市に通告することにした。
2 お迎え時に母親に痣の原因を確かめた上で,P市に通告することにした。
3 虐待であると確認できないため,所長の指示でP市に通告しないことにした。 

これらは,すべて通告は「虐待があったどうか」をポイントにしています。
虐待があったかどうかではなく,「虐待を受けたと思われる」場合に通告義務があります。

4 安全確保のため帰宅させず,保育所で預かることにした。

一時保護は,児童相談所の役割です。


<今日の一言>


通告義務違反に罰則はありません。

というよりも,罰則を設けるのはかなり困難です。
「虐待を受けたと思われる」の判定を明確には行うことはできないからです。

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