第37回国家試験から社会福祉士は新しいカリキュラムによる国家試験に移行します。
新しいカリキュラムでは,「就労支援サービス」はなくなります。
この科目の内容のほとんどは他科目で学ぶものであり,この科目のみで学ぶものはかなり少ないです。
新しいカリキュラムでは,「福祉行財政と福祉計画」もなくなります。
福祉制度の縦割りではなく,横に貫く科目だったこの2つがなくなるのは,ちょっと残念ですが,受験生にとっては,ちょっぴり勉強しやすくなるのかもしれませんね。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題146 障害者自立支援法に基づく,就労移行支援事業及び就労継続支援事業に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 就労移行支援事業及び就労継続支援事業は,旧制度に基づき障害別に設置されていた福祉工場や授産施設などを,障害種別にかかわらず,目的別に再編成することを意図して制度化されたものである。
2 就労移行支援事業は,就職に向けての訓練を中心とした事業であることから,利用申込みの窓口は,公共職業安定所になっている。
3 就労継続支援A型事業,B型事業とも,利用者は原則として最低賃金法など労働法の適用を受ける。
4 就労継続支援事業についても,利用者の一般就職が最終目標とされることから,利用期間には期限が設けられている。
5 就労継続支援A型事業で雇用されている利用者は,職場適応援助者によるジョブコーチ支援を受けなければならない。
障害者自立支援法は2012年に改正されて,現在の障害者総合支援法に至ります。
それはさておき・・・
さすがは第22回らしい国家試験問題だと思います。
第22回国家試験問題を目にする機会はないかもしれませんが,第22回は,現在のカリキュラムでの第1回の国家試験です。
そのため,「これからこの科目ではこのように問題を出題しますよ」と宣言している内容となっているのが特徴です。
第22回の内容は,そのあとも繰り返し繰り返し出題されてきています。
今見ても古さを感じないと思いませんか?
第31回国試攻略のための勉強法~第22回国試が現行カリキュラムの国試問題の基本形
https://fukufuku21.blogspot.com/2018/03/3122.html
さて,この問題の正解は,選択肢1です。
1 就労移行支援事業及び就労継続支援事業は,旧制度に基づき障害別に設置されていた福祉工場や授産施設などを,障害種別にかかわらず,目的別に再編成することを意図して制度化されたものである。
わが国の障害者福祉の歴史は,1949(昭和24)年の身体障害者福祉法に始まり,障害別に発展してきました。
それを再編成したのが,「障害者自立支援法」です。
この時に,ようやく精神障害者も含めて,一元化されています。
2003~2005年には,支援費制度という制度が取り入れられましたが,その時はまだ精神障害者は対象となっていませんでした。
覚えるのはいつの時代も大変ですが,今の制度のほうがシンプルだと言えます。
それでは,ほかの選択肢も確認します。
2 就労移行支援事業は,就職に向けての訓練を中心とした事業であることから,利用申込みの窓口は,公共職業安定所になっている。
就労移行支援事業に限らず,障害者総合支援法は基本的に市町村の役割です。
利用申し込みは市町村に対して行います。
この大前提をしっかり覚えておきたいです。
精神通院医療の実施は都道府県の役割です。
さて,精神通院医療の支給申請の窓口はどこでしょう?
答えは,市町村です。
実施が都道府県でも窓口は市町村です。
3 就労継続支援A型事業,B型事業とも,利用者は原則として最低賃金法など労働法の適用を受ける。
就労継続支援のA型とB型の違いは,雇用契約を締結するかどうかの違いです。
労働法の適用を受けるのは,雇用契約を締結するA型です。
4 就労継続支援事業についても,利用者の一般就職が最終目標とされることから,利用期間には期限が設けられている。
利用期間に期限があるのは,就労移行支援です。
就労移行支援に期限があるのは,職業能力などのアセスメントを行う期間だからです。
アセスメントの結果,一般就労に結びつけば,そのあとは必要によって,職場定着支援を利用します。
一般就労に結び付かなかった場合は,就労継続支援を利用します。
そんなことから,就労継続支援は,一般就労を目指すことは最終目標とはなりません。
5 就労継続支援A型事業で雇用されている利用者は,職場適応援助者によるジョブコーチ支援を受けなければならない。
ジョブコーチ支援は,必要だったら利用するものです。義務ではありません。
<今日の一言>
国家試験問題のぜい肉
今なら今日の問題のような,ぜい肉たっぷりの問題はほとんどないかもしれません。
ぜい肉とは,無駄な部分のことをいいます。
今日の問題のぜい肉は,アンダーラインの部分です。
2 就労移行支援事業は,就職に向けての訓練を中心とした事業であることから,利用申込みの窓口は,公共職業安定所になっている。
4 就労継続支援事業についても,利用者の一般就職が最終目標とされることから,利用期間には期限が設けられている。
間違いをなんとか正解に見せかけようと必死です。
もし,これらが正解なら・・・
2 就労移行支援事業の利用申込みの窓口は,公共職業安定所になっている。
4 就労継続支援事業には,利用期間には期限が設けられている。
これでよいはずです。
余計な言い回しをしているのは,間違いを正解に見せかけようとしているからです。
今の国家試験の問題文はダイエットが進んでいるので,ぜい肉はあまりないかもしれません。
しかし,覚えていて損はないでしょう。
現在のカリキュラムでの社会福祉士の国家試験は,第36回まで実施されます。第37回から新しいカリキュラムによる国家試験となります。
現在のものは第32回も含めてあと5回もありますが,できれば今回で合格をつかみ取りたいものです。
第32回の国家試験の合格発表は,3月13日(金)です。
1か月半後のその日に朗報が届くように,あともうひと頑張りです。
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