今回は,地域生活定着支援センターを取り上げたいと思います。
地域生活定着支援センター
刑務所出所後の帰住先のない高齢者や障害者を対象として,福祉サービスにつなげる支援を行う。
支援内容
①コーディネート
保護観察所の依頼に基づいて,福祉ニーズの確認等を行って,受入れ先施設等のあっせん,福祉サービスに係る申請支援等。
(2)フォローアップ
コーディネートした者が矯正施設から退所した後,本人を受け入れた施設等に対する助言等。
(3)相談支援業務
矯正施設から退所した人が福祉サービスにあたって,本人又はその関係者に対する相談,助言その他必要な支援。
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近年の事業は,事業名がその内容を直接示すものが多いので,もし知らない,あるいはど忘れしてしまったときには,あせることなく,冷静にその名前からその内容を推測してみると良いと思います。
地域生活定着支援センターの場合は,地域生活を支援するためのセンターなのだということはわかりますね?
それでは,今日の問題です。
精神保健福祉士・第20回・問題66 更生保護の担い手に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 更生保護施設は,自立に向けた就労支援を行っている。
2 地域生活定着支援センターは,刑務所出所後の帰住先のない高齢者や障害者を対象とした入所施設である。
3 更生保護女性会は,刑務所出所者に無料の職業紹介を行う団体である。
4 BBS会は,高齢の刑務所出所者を支援する団体である。
5 保護司は,総務大臣により委嘱される。
正解は,選択肢1です。
1 更生保護施設は,自立に向けた就労支援を行っている。
更生保護施設
「更生保護施設」とは、被保護者の改善更生に必要な保護を行う施設のうち、被保護者を宿泊させることを目的とする建物及びそのための設備を有するものをいう。
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更生保護事業の内容
継続保護事業
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現に改善更生のための保護を必要としているものを更生保護施設に収容して、その者に対し、宿泊場所を供与し、教養訓練、医療又は就職を助け、職業を補導し、社会生活に適応させるために必要な生活指導を行い、生活環境の改善又は調整を図る等その改善更生に必要な保護を行う事業。
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一時保護事業
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宿泊場所への帰住、医療又は就職を助け、金品を給与し、又は貸与し、生活の相談に応ずる等その改善更生に必要な保護(継続保護事業として行うものを除く。)を行う事業。
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連絡助成事業
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改善更生を助けることを目的とする事業に関する啓発、連絡、調整又は助成を行う事業
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この中の「職業を補導」というところが就労支援にあたります。
それではほかの選択肢も確認します。
2 地域生活定着支援センターは,刑務所出所後の帰住先のない高齢者や障害者を対象とした入所施設である。
地域生活定着支援センターは,入所施設ではありません。
「センター」という名称があるもので,入所施設になっているものはほとんどないと思います。
3 更生保護女性会は,刑務所出所者に無料の職業紹介を行う団体である。
4 BBS会は,高齢の刑務所出所者を支援する団体である。
2つまとめます。
BBS会
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青年が非行少年に身近な存在として接することで更生を図る。
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更生保護女性会
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非行少年の更生を図るとともに青少年の健全育成にかかわる。
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協力雇用主
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対象者の事情を知ったうえで,雇用を受け入れる事業主。
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5 保護司は,総務大臣により委嘱される。
保護司が委嘱されるのは,法務大臣です。
せめて,厚生労働大臣あたりにしてほしかったと思います。
法務大臣では間違いだということが分かりやすすぎです。
<今日の一言>
こんなことをしている
といった内容のものは,正解になりやすい傾向にあります。
そういった視点で,正解を見てみると・・・
1 更生保護施設は,自立に向けた就労支援を行っている。
更生保護施設がどのような事業を行っているのか,よくわからなくても,×はつけにくいと思います。
この感覚を過去問を使って,身につけると得点力は間違いなく上がることでしょう。