2020年5月12日火曜日

社会復帰調整官の概要~その2

今回も社会復帰調整官の概要を続けます。


社会復帰調整官の職務

生活環境の調査
裁判所からの求めに対して,対象者の生活環境全般の調査を行う。
裁判所は,調査結果も参考にして,審判を行う。
生活環境の調整
対象者の退院後の生活環境の整備を行う。
精神保健観察
対象者が通院による医療を受ける際に実施する。
連携
関係機関相互間の連携の確保。

それでは今日の問題です。


23回・問題150 医療観察制度における社会復帰調整官に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 対象者が指定入院医療機関に入院中には退院後の生活環境の調整に当たり,退院後には精神保健観察を実施する。

2 指定入院医療機関の医療サービスの確保,社会復帰施設への入所及び精神保健福祉サービスによる支援の3点を柱に,対象者が地域社会で健全な生活が送れるように支える。

3 地域の連携の中心となる役割のほか,訪問や面接などの直接的なかかわりを行い,医療や地域生活での相談支援は行うが,対象者の病状の悪化時の対応は行わない。

4 任用資格は,更生保護法によって精神保健福祉士や看護師等とされている。

5 地方裁判所で行われる当初審判の段階から関与する立場にはないが,処遇のコーディネーター役を果たすことが求められる。



答えは簡単ですね。

正解は,選択肢1です。

1 対象者が指定入院医療機関に入院中には退院後の生活環境の調整に当たり,退院後には精神保健観察を実施する。

入院中には,生活環境の調整を行います。
退院後には,精神保健観察を行います。

そのほかには,審判にあたっては,裁判所の求めに応じて「生活環境の調査」を行います。

それでは,ほかの選択肢も解説しますね。


2 指定入院医療機関の医療サービスの確保,社会復帰施設への入所及び精神保健福祉サービスによる支援の3点を柱に,対象者が地域社会で健全な生活が送れるように支える。


社会復帰調整官の職務は

生活環境の調査
生活環境の調整
精神保健観察
連携

の4つです。



3 地域の連携の中心となる役割のほか,訪問や面接などの直接的なかかわりを行い,医療や地域生活での相談支援は行うが,対象者の病状の悪化時の対応は行わない。

対象者の病状の悪化時の対応も行います。

というか,病状の悪化時の対応は極めて重要です。

また,精神保健観察中であっても,精神保健福祉法の措置入院の対象となります。



4 任用資格は,更生保護法によって精神保健福祉士や看護師等とされている。

社会復帰調整官は,医療観察法が根拠法です。




5 地方裁判所で行われる当初審判の段階から関与する立場にはないが,処遇のコーディネーター役を果たすことが求められる。


当初審判では,裁判所の求めに応じて,「生活環境の調査」を行います。

裁判所は,調査結果も参考にして,審判を行います。



<今日の一言>


3 地域の連携の中心となる役割のほか,訪問や面接などの直接的なかかわりを行い,医療や地域生活での相談支援は行うが,対象者の病状の悪化時の対応は行わない。


5 地方裁判所で行われる当初審判の段階から関与する立場にはないが,処遇のコーディネーター役を果たすことが求められる。



これらの文章は,間違い選択肢をつくるときの定番です。

どこが定番なのかは,自分で考えてみてください。

それがわかれば,見た瞬間に消去することができるようになります。

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