近年は,免疫について出題されていませんが,免疫は,液性免疫と細胞性免疫の2つがあります。
おそらくですが,このような免疫をもった人類が生き残ってきたのではないでしょうか。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題4 感染に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 疥癬の他者への感染を予防するために,患者の使用した食器の消毒を行う。
2 結核は,空気中に浮遊する病原菌を吸入することで感染する。
3 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は,水や食べ物を通して感染する。
4 デング熱は,マダニを介して感染する。
5 C型肝炎ウイルスの感染予防には,ワクチンが実用化されている。
感染症に関する出題は,現在のカリキュラムによる国家試験になってから,実はそれほど多くはありません。
そのためなのか,この問題の難易度はそれほど高くはありませんが,正解するのはそれほど簡単ではありません。
理由は,
問題の分類
①すべての選択肢がわかって,答えられるもの。
②答えがすぐわかるもの。
③ほかの選択肢を消去することで,答えにたどりつくもの。
のうち,②答えがすぐわかるもの。だからです。
正解は,
2 結核は,空気中に浮遊する病原菌を吸入することで感染する。
結核は,空気感染です。
結核は,二類に分類されています。
新型コロナウイルスは,今のところは,飛沫感染だとされているので,ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことが推奨されているのです。
それでは,ほかの選択肢を確認してみましょう。
1 疥癬の他者への感染を予防するために,患者の使用した食器の消毒を行う。
疥癬は,接触感染です。
最も注意しなければならないのは,医療・介護従事者が媒介する感染です。
患者の処置が終わったあとのグローブ交換などで感染を防止します。
3 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は,水や食べ物を通して感染する。
HIVは,体液から感染します。
水や食べ物を通して感染するのは,肝炎です。
後天性免疫不全症候群は,五類に分類されています。
4 デング熱は,マダニを介して感染する。
デング熱は,蚊を媒介して感染します。
デング熱は,四類に分類されています。
5 C型肝炎ウイルスの感染予防には,ワクチンが実用化されている。
C型肝炎ウイルスのワクチンは,まだ実用化には至っていません。
ただし,A型とB型肝炎のワクチンは,実用化されています。
5 C型肝炎ウイルスの感染予防には,ワクチンが実用化されている。
C型肝炎ウイルスのワクチンは,まだ実用化には至っていません。
ただし,A型とB型肝炎のワクチンは,実用化されています。
C型肝炎は,五類に分類されています。
C型肝炎が発生した1980年代の後半では,C型肝炎ウイルスが発見されなくて,非A非B型肝炎(A型でもB型でもない肝炎という意味)と呼ばれていました。
しばらくして,C型肝炎ウイルスが発見されました。それから30年も経ちますが,ワクチンが未だ実用化されていないというのは,ワクチン開発には時間がかかるということなのでしょう。
C型肝炎が発生した1980年代の後半では,C型肝炎ウイルスが発見されなくて,非A非B型肝炎(A型でもB型でもない肝炎という意味)と呼ばれていました。
しばらくして,C型肝炎ウイルスが発見されました。それから30年も経ちますが,ワクチンが未だ実用化されていないというのは,ワクチン開発には時間がかかるということなのでしょう。