2020年5月15日金曜日

医療観察法と更生保護法~その2


今回も医療観察法と更生保護法を整理します。


根拠法
実施機関
専門職
精神保健観察
医療観察法
保護観察所
社会復帰専門官
保護観察
更生保護法
(1~4号観察)
売春防止法
(5号観察)
保護観察所
保護観察官
保護司

保護観察所は,医療観察法に基づく社会復帰調整官と更生保護法に基づく保護観察官が配置されています。

両法にかかわるのは,保護観察所の長であり,社会復帰調整官と保護観察官は,それぞれの方に基づく職務を行います。

保護司も医療観察法にはかかわりません。

それでは,今日の問題です。


精神保健福祉士・第20回・問題67 保護観察所に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 市町村に1か所設置されている。

2 業務に恩赦の上申が含まれている。

3 厚生労働省により設置されている。

4 業務に犯罪予防活動が含まれている。

5 精神保健参与員が配置されている。

今までの問題をしっかり整理できている人は,それほど難しくはない問題でしょう。


正解は,選択肢2と4です。

2 業務に恩赦の上申が含まれている。
4 業務に犯罪予防活動が含まれている。

ほかの選択肢も確認しましょう。


1 市町村に1か所設置されている。

保護観察所は,地方裁判所の管轄区域ごとに設置されています。


3 厚生労働省により設置されている。

更生保護法は,法務省が所掌しています。
保護観察所を設置しているのは,法務省です。


5 精神保健参与員が配置されている。

保護観察所に配置されているのは,

医療観察法に基づく社会復帰調整官

更生保護法に基づく保護観察官

です。


<今日の一言>

精神保健参与員

精神保健参与員は,医療観察法に基づき,審判の際に,意見を述べる精神保健福祉の専門家です。

名簿に登録された者のうちの中から,処遇事件ごとに裁判所が指定します。

どこかの機関に配置されるようなものではありません。


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