現在の社会福祉士の国家試験の事例問題は,短文事例問題のみです。
精神保健福祉士には,長文事例問題が残っています。
短文事例問題には多くの情報を書けないこともあり,きっちり読めば必ず答えになるものは見つけやすいでしょう。
今日の問題は,おそらく事例を読まなくても解ける問題です。
そういった意味では,問題の質はそれほど高くはないと言えます。
それでは問題です。
第29回・問題107 事例を読んで,この場面におけるBスクールソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Bスクールソーシャルワーカーは,小学校4年生のC君の母親から初めて相談を受けた。C君は低学年の時には学校から大きな問題を指摘されたことはなかったが,4年生になってからは授業に集中できず,落ち着かないところが目立つようになり,周りの友達とのトラブルが多くなった。また,この1か月の間,不登校気味となっている。さらに,C君自身も学校でのストレスから,自宅では2歳年下の弟との喧嘩が激しくなり,弟も非常に混乱しているようである。また,夫に相談しても話を聞こうとせず,どうしたら良いのか分からないと訴えた。
1 「ご家庭でのお子さんの様子をもう少し詳しく聞かせていただけますか」
2 「お子さんの問題は夫婦で話し合うのが最も大事なのではないですか」
3 「兄弟喧嘩くらい多少は大丈夫ですよ」
4 「お子さんの学校の問題は,先生ともっと話し合うべきです」
5 「お母さんのこれまでの生活歴をお聞きしてもよろしいですか」
絶対に正解にならないのは,
2 「お子さんの問題は夫婦で話し合うのが最も大事なのではないですか」
3 「兄弟喧嘩くらい多少は大丈夫ですよ」
4 「お子さんの学校の問題は,先生ともっと話し合うべきです」
の3つです。
正解は,
1 「ご家庭でのお子さんの様子をもう少し詳しく聞かせていただけますか」
です。
迷うことがあるとしたら,
5 「お母さんのこれまでの生活歴をお聞きしてもよろしいですか」
正解を2つ選ぶ問題だとすると,正解になることもあるかもしれません。
しかし,この問題は,正解は一つだけです。
ポイントは,初回面接の場面だということです。
初回面接は特別なものです。
初対面の人に,自分の生活歴を話すでしょうか。
ラポールができていなければ,「私はCのことを相談しているのです。私のことは関係ないでしょう」と切り返されておしまいです。
もし,この質問をするなら,母親の生育歴が,C君に影響を与えていると考えられる場合でしょう。
しかし,それはもっと先のことです。
この問題はあくまで「この時点における」対応を選ぶものです。
将来的には,正しいことかもしれませんが,この時点で不必要な対応なら,正解にはなり得ません。
この手の問題はかなり多く出題されています。
「この時点における」を注意しましょう。
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