ソーシャルワークは,意図的な活動です。
意図のないものは,ソーシャルワークとは言えません。
クライエントとの会話には無駄なものはありません。
無駄話の中からラポールを築くことができると思うワーカーはワーカー失格です。
クライエントとの会話の中に無駄話を挟み込むのは,クライエントにとって失礼極まりない行為です。
クライエントとの会話は,すべて意図されたものです。
それでは今日の問題です。
第29回・問題113 ネットワーキングに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 静態的な概念である。
2 既存の所属や地域の制約の中で展開する。
3 特定の強力なリーダーに導かれる。
4 日常的な結び付きを無意図的に繰り返し使用する。
5 目標と価値を共有する。
短い文章で構成された問題ですが,これがなかなか難しいものです。
この問題の難易度を上げている理由の一つは,
選択肢1の「静態的」ということばです。
このことばで,問題を読むペースが崩されます。
静態的って何?
?
?
?
と思うと負けです。
意味は正確にわからなくてもだいたいのニュアンスをつかむことができればOKだと思わなれば,得点力は極端に下がってしまいます。
静態的は「動きがない様子」をいいます。
ネットワーキングは,有機的な結び付きです。
必要に従って絶えず変化していきます。
静態的の反対語は,動態的(動きのある)です。
ネットワーキングはむしろ動態的です。
このように,逆の意味のあるものは,要注意です。
具体的に言えば
「右と左」
「上と下」
「前と後ろ」
などです。
さて,この問題の正解は,選択肢5です。
5 目標と価値を共有する。
この問題を正解できた人も自信をもってこれを正解にした人はそれほど多くはないはずです。
ほかの選択肢を消去することで,正解できるタイプの問題だからです。
そのため,一つでも消去できないものがあると正解できません。
その一つは,選択肢1です。
そして,選択肢4
4 日常的な結び付きを無意図的に繰り返し使用する。
なんだかわからないので,こういったものを選ぶということをすると得点を伸ばすことは到底無理です。
ソーシャルワークは,意図的な活動です。
「無意図」は存在しません,
はたから見ると,無意図に見えるものでも,無意味なものはありません。