第25回国家試験は波乱の年で,「魔の第25回国試」と勝手に呼んでいます。
この年に登場したのが,答えを2つ選ぶ問題です。
ところどころに出てくるので,うっかりすると2つ選ぶことを忘れてしまうこともあります。
第25回国試では,国試が終わってから2つ選ぶ問題があったことに気がついたという人もいたようです。
それでは今日の問題です。
第29回・問題99 事例を読んで,H医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)による対応に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
病院に勤務するH医療ソーシャルワーカーは,入院患者のJさん(45歳,男性)から相談を受けた。Jさんは直腸がんの手術後,ストーマ造設手術を受けたばかりである。Jさんは,見舞いに来た職場の同僚から,上司がJさんの職場復帰は難しいと言っていると聞いた。そのため退職を考えているという。しかし話が進むと,本心は職場復帰して今の仕事を続けていきたいが,できるかどうか心配で仕方がないと語った。元々,今の上司とは折り合いが悪いとも話した。
1 今後のセルフケアと仕事の両立が難しいので,退職した方が良いと勧める。
2 職場復帰に関する上司の発言に非があると,直接上司に言う。
3 主治医同席で,職場の人事担当者と話合いの場を持つことを提案する。
4 今後の方向性を一緒に考えましょうと言う。
5 今までの上司との関係を振り返り,反省するように言う。
ソーシャルワーク系の事例問題は,不適切問題になるのを避けるため,答えは明確に作られます。
この事例のポイントは,
本心は職場復帰して今の仕事を続けていきたいが,できるかどうか心配で仕方がないと語った。
の部分です。
正解は
3 主治医同席で,職場の人事担当者と話合いの場を持つことを提案する。
4 今後の方向性を一緒に考えましょうと言う。
これ以外を選びようがない問題です。
注意するのは,先に述べたように,2つ選ぶことを忘れないことです。
国試会場では,うっかりミスはよくあります。
一問一答で勉強している人は,本当に要注意です。
答えを2つ選ぶ問題への対策は確実に施しておくことが必要です。一問一答はそれができないので,要注意なのです。