2020年9月4日金曜日

2つ選ぶ問題

第25回国家試験は波乱の年で,「魔の第25回国試」と勝手に呼んでいます。

この年に登場したのが,答えを2つ選ぶ問題です。

ところどころに出てくるので,うっかりすると2つ選ぶことを忘れてしまうこともあります。


第25回国試では,国試が終わってから2つ選ぶ問題があったことに気がついたという人もいたようです。


それでは今日の問題です。


第29回・問題99 事例を読んで,H医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)による対応に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

 病院に勤務するH医療ソーシャルワーカーは,入院患者のJさん(45歳,男性)から相談を受けた。Jさんは直腸がんの手術後,ストーマ造設手術を受けたばかりである。Jさんは,見舞いに来た職場の同僚から,上司がJさんの職場復帰は難しいと言っていると聞いた。そのため退職を考えているという。しかし話が進むと,本心は職場復帰して今の仕事を続けていきたいが,できるかどうか心配で仕方がないと語った。元々,今の上司とは折り合いが悪いとも話した。 

1 今後のセルフケアと仕事の両立が難しいので,退職した方が良いと勧める。

2 職場復帰に関する上司の発言に非があると,直接上司に言う。

3 主治医同席で,職場の人事担当者と話合いの場を持つことを提案する。

4 今後の方向性を一緒に考えましょうと言う。

5 今までの上司との関係を振り返り,反省するように言う。



ソーシャルワーク系の事例問題は,不適切問題になるのを避けるため,答えは明確に作られます。


この事例のポイントは,

本心は職場復帰して今の仕事を続けていきたいが,できるかどうか心配で仕方がないと語った。


の部分です。


正解は

3 主治医同席で,職場の人事担当者と話合いの場を持つことを提案する。

4 今後の方向性を一緒に考えましょうと言う。


これ以外を選びようがない問題です。


注意するのは,先に述べたように,2つ選ぶことを忘れないことです。


国試会場では,うっかりミスはよくあります。


一問一答で勉強している人は,本当に要注意です。

答えを2つ選ぶ問題への対策は確実に施しておくことが必要です。一問一答はそれができないので,要注意なのです。

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