2020年9月29日火曜日

集団思考の危険性

今回は,集団について学んでいきたいと思います。

 

集団については,「社会理論と社会システム」でも出題されますが,「福祉サービスの組織と経営」っぽいものとして,「集団思考」があります。

 

みんなで考えて導き出したことは,適切になりそうですが,実はそうでもないことを覚えておきたいです。

 

一人で意思決定するよりも危険な結論を導きだすことは,リスキーシフトといいます。

一人で意思決定するよりも無難な結論を導きだすことは,コーシャスシフトといいます。

 

なお,集団思考は,集団浅慮ともいいます。

 

それでは,今日の問題です。

 

29回・問題122 集団のパフォーマンスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 リーダーを中心にまとまりの良い集団では,集団浅慮は起きない。

2 社会的手抜きは,集団の作業では発生しない。

3 社会的促進は,複雑で不慣れな課題遂行時に起きる。

4 グループ間のコンフリクトは,あるグループが他のグループに対して優位に立とうとするときに生じる。

5 チームでメンタルモデルが共有されていると,チームのパフォーマンスが減退する。

 

正解は,選択肢4です。

4 グループ間のコンフリクトは,あるグループが他のグループに対して優位に立とうとするときに生じる。

 

改めて読んでみると,そうだな,と思えるでしょう。

 

しかし,そんなに簡単に正解できないのが国試の怖いところです。

 

この中で,知識不足の人が間違いそうなのは,

 

3 社会的促進は,複雑で不慣れな課題遂行時に起きる。

 

社会的促進は,国試で何度も出題されてきたものです。

 

周りの人に影響されて,作業が促進することが社会的促進です。

 

単純で慣れた作業の方がより促進するとされています。

徒競走で,速いグループに入るとタイムが上がるのは,社会的促進で説明することができます。


<今日の一言>


対義語のあるものに注意!


今日の問題では


複雑 ⇔ 単純

不慣れ ⇔ 慣れ

減退 ⇔ 増進

です。

国家試験ではこれらを入れ替えて出題すれば,それっぽい間違い選択肢をつくることができます。

内容によほど自信がないかぎり,慎重に選ぶのが適切でしょう。

右と左,上と下なども同様です。

そのほかに注意したいのは,具体的な数値が出題されている選択肢です。

社会保障給付費や国民医療費のように,何度も出題されているものは,具体的な数値を入れて出題しますが,初めて出題されたようなもので,具体的な数値が入っているものが正解になることは少ない,ということも覚えておきたいです。

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