2021年1月25日月曜日

認定社会福祉士制度について

認定社会福祉士制度をご存じですか?


2007(平成19)年の社会福祉士及び介護福祉士法改正時に,国会で「より専門的対応ができる人材を育成するため、専門社会福祉士及び専門介護福祉士の仕組みについて早急に検討を行う」という附帯決議がなされたことを端緒として,2012(平成24)年から,認定社会福祉士認証・認定機構が,認定社会福祉士及び上級認定社会福祉士を認定しています。


認定社会福祉士認証・認定機構の構成組織は以下のとおりです。


日本社会福祉士会
日本医療社会福祉協会
日本ソーシャルワーカー協会
日本ソーシャルワーク教育学校連盟 などです。


この4団体は,国際的には,「日本ソーシャルワーカー連盟」として一体で活動しています。


さて,認定を受けるためには,いずれかの正会員である必要があります。


加入する団体は社会福祉士会に限定されていませんが,社会福祉士に合格したら社会福祉士会に入会してもらいたいものです。


認定社会福祉士は,社会福祉士を取得してから5年以上の実務経験が必要です。


分野ごとに認定されるので,その分野で2年以上の実務経験が必要です。


現在の分野は以下のとおりです。

・高齢分野

・障害分野

・児童・家庭分野

・医療分野

・地域社会

・多文化分野


定められた研修を受講することで認定されます。試験はありません。


上級認定社会福祉士は,認定社会福祉士となってから5年以上の実務経験が必要です。

さらには,試験も実施されます。

認定社会福祉士と異なり,分野ごとの認定ではありません。社会福祉士のスーパーバイザーとなるからです。


それでは,今日の問題です。


第28回・問題95 認定社会福祉士及び認定上級社会福祉士に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 認定社会福祉士制度の必要性は,2000年(平成12年)の社会福祉事業法改正時の附帯決議に盛り込まれた。

2 認定社会福祉士は,所属組織以外の分野における高度な専門性を発揮できる能力を有する者として位置づけられている。

3 認定社会福祉士は,一定の実務経験と認定試験に合格することが要件とされている。

4 認定上級社会福祉士は,高齢分野,障害分野,児童・家庭分野,医療分野など,分野ごとに認定される。

5 認定社会福祉士及び認定上級社会福祉士は,関係団体が参画する組織によって認定される。


正解はすぐわかりますね。選択肢5が正解です。

5 認定社会福祉士及び認定上級社会福祉士は,関係団体が参画する組織によって認定される。


日本社会福祉士会も認定社会福祉士認証・認定機構の構成する組織の一つです。



ほかの選択肢は解説するまでもありませんが,一応みてみましょう。


1 認定社会福祉士制度の必要性は,2000年(平成12年)の社会福祉事業法改正時の附帯決議に盛り込まれた。


附帯決議に盛り込まれたのは,2007(平成19)年の社会福祉士及び介護福祉士法改正時です。


2 認定社会福祉士は,所属組織以外の分野における高度な専門性を発揮できる能力を有する者として位置づけられている。


認定社会福祉士は,自分の所属する分野で2年以上の実務経験で,その分野の認定社会福祉士として認定されます。


3 認定社会福祉士は,一定の実務経験と認定試験に合格することが要件とされている。


試験があるのは,上級認定社会福祉士です。認定社会福祉士は規定の研修を受講することで認定されます。


4 認定上級社会福祉士は,高齢分野,障害分野,児童・家庭分野,医療分野など,分野ごとに認定される。


分野ごとに認定されるのは,認定社会福祉士です。

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