今回は,リハビリテーション専門職について取り組んでいきましょう。
理学療法士 |
厚生労働大臣の免許を受けて,理学療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,理学療法を行なうことを業とする者。 ※理学療法 身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えること |
作業療法士 |
厚生労働大臣の免許を受けて,作業療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,作業療法を行なうことを業とする者。 ※作業療法 身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行なわせること。 |
言語聴覚士 |
厚生労働大臣の免許を受けて,言語聴覚士の名称を用いて,音声機能,言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため,言語訓練その他の訓練,これに必要な検査及び助言,指導その他の援助を行うことを業とする者。 |
理学療法と作業療法の違いはわかりにくいですが,理学療法は身体に障害のある者を対象とするのに対して,作業療法は身体のほかに精神に障害のある者を対象とすることです。
それでは今日の問題です。
第28回・問題74 理学療法士,作業療法士,言語聴覚士に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 作業療法士の行う作業療法は,身体又は精神に障害のある者を対象としている。
2 理学療法士は,診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときであっても,医師の指示が必要とされている。
3 理学療法士の行う理学療法の対象者は,障害支援区分の認定,若しくは要介護認定を受けていることが条件とされている。
4 言語聴覚士は,業務独占の国家資格である。
5 理学療法士,作業療法士の配置が必要とされるのは,病院,診療所に限られる。
正解はすぐわかりますね。選択肢1です。
1 作業療法士の行う作業療法は,身体又は精神に障害のある者を対象としている。
身体又は精神に障害のある者を対象とするのは,作業療法です。
理学療法は,精神に障害のある者は対象としません。
2 理学療法士は,診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときであっても,医師の指示が必要とされている。
医師の指示が必要なのは,診療の補助として業務を行う場合です。
3 理学療法士の行う理学療法の対象者は,障害支援区分の認定,若しくは要介護認定を受けていることが条件とされている。
理学療法の対象者は,身体に障害のある者です。障害支援区分の認定,若しくは要介護認定を受けている者も対象になりますが,その範囲でとどまるものではありません。
4 言語聴覚士は,業務独占の国家資格である。
言語聴覚士は,名称独占の国家資格ですが,業務独占ではありません。
それは,ほかのリハビリ専門職も同様です。
5 理学療法士,作業療法士の配置が必要とされるのは,病院,診療所に限られる。
理学療法士,作業療法士は,病院,診療所にも配置されますが,そこだけにとどまりません。