社会福祉士の国家試験では,実に多くの心理療法が出題されています。
第31回国試に合格する勉強法~心理療法に関する出題は100%~その2
https://fukufuku21.blogspot.com/2018/03/311002.html
上記に示した出題回数は少し前のものなので,現在は種類がもう少し多くなっているかもしれません。
しかし,社会福祉士は実際に心理療法を行うわけではないので,詳しく覚える必要はありません。
それぞれの特徴を押さえるだけで正解できるレベルです。
例えば・・・
認知行動療法(CBT)は,学習理論を用いて,クライエントの認知及び行動を変化させるもの。
こんな感じです。
あとは,出題の内容からそれがCBTなのかどうかを判断するだけです。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題14 カウンセリングや心理療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知行動療法では,クライエントの発言を修正せず全面的に受容することが,クライエントの行動変容を引き起こすと考える。
2 社会生活技能訓練(SST)では,ロールプレイなどの技法を用い,対人関係で必要なスキル習得を図る。
3 ブリーフセラピーでは,即興劇において,クライエントが役割を演じることによって,課題の解決を図る。
4 来談者中心カウンセリングでは,クライエントが事実と違うことを発言した場合,その都度修正しながら話を聞いていく。
5 動機づけ面接では,クライエントの変わりたくないという理由を深く掘り下げていくことが行動変容につながると考える。
たくさんの種類が出てきて,おなか一杯という感じかもしれません。
それでは解説です。
1 認知行動療法では,クライエントの発言を修正せず全面的に受容することが,クライエントの行動変容を引き起こすと考える。
早速,認知行動療法(CBT)です。
学習理論の要素はありますか?
どの心理療法でも受容は大切ですが,認知行動療法で行動変容を引き起こすのは,学習理論を活用したかかわりです。
受容を重視するのは,後述の来談者中心カウンセリングです。
2 社会生活技能訓練(SST)では,ロールプレイなどの技法を用い,対人関係で必要なスキル習得を図る。
これが正解です。
社会生活技能訓練(SST)では,ロールプレイなどの技法を用い,対人関係で必要なスキル習得を図ります。
重要なポイントとしては,モデリングです。集団で実施することで,ほかの人を見て,学ぶことができるからです。
3 ブリーフセラピーでは,即興劇において,クライエントが役割を演じることによって,課題の解決を図る。
即興劇において,クライエントが役割を演じることによって,課題の解決を図るのは,心理劇です。
ブリーフセラピー(短期療法)は,解決志向アプローチのベースとなるものです。
ポイントは,過去より未来です。過去とは問題の原因,未来は問題が解決されたイメージです。
それをセラピストが手助けしながら,未来を志向していきます。
4 来談者中心カウンセリングでは,クライエントが事実と違うことを発言した場合,その都度修正しながら話を聞いていく。
来談者中心カウンセリングは,修正せず,受容します。
そこがポイントです。
5 動機づけ面接では,クライエントの変わりたくないという理由を深く掘り下げていくことが行動変容につながると考える。
動機づけ面接とは,あまり聞き慣れないものかもしれません。
しかし,変わりたくない理由を掘り下げることは,変わりたくないという気持ちを確認してしまうことになりそうだと思いませんか?
クライエントが変わりたいというやる気になるためには,クライエント自身の気持ちの持ち方こそが大切です。
そこを重視してかかわっていくのが,動機づけ面接の基本です。