今回は,健康の社会的決定要因を取り上げます。
あまり聞き慣れないものかもしれませんが,WHO(世界保健機関)が示したもので,集団間の健康における格差と社会経済的境遇との関連に着目する概念です。
簡単に言えば,健康は社会に影響を受けるということです。
貧しい国や人と富んだ国や人には,健康格差があると考えます。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題26 世界保健機関(WHO)による「健康の社会的決定要因」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 集団間の健康における格差と社会経済的境遇との関連に着目する概念である。
2 個人の学歴や所得は,社会的決定要因から除外される。
3 ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は,社会的決定要因から除外される。
4 健康格差を是正するための個別ケースへの介入に関する概念である。
5 地域の経済的開発の状況は,健康格差の発生に影響を及ぼさない。
国家試験でこういった問題が出題されたら,びっくりするでしょう。
しかし,落ち着いて問題を読めば,答えられます。
消去できそうな選択肢が含まれる問題だからです。
2 個人の学歴や所得は,社会的決定要因から除外される。
3 ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は,社会的決定要因から除外される。
5 地域の経済的開発の状況は,健康格差の発生に影響を及ぼさない。
これらは,日本語的に消去できそうです。
残るは
1 集団間の健康における格差と社会経済的境遇との関連に着目する概念である。
4 健康格差を是正するための個別ケースへの介入に関する概念である。
このうち,
4 健康格差を是正するための個別ケースへの介入に関する概念である。
個別ケースは,ミクロレベルです。
「社会的決定要因」というものから,ミクロレベルよりもマクロレベルではないかと推測できそうです。
ということで正解は
1 集団間の健康における格差と社会経済的境遇との関連に着目する概念である。
ということになります。