介護保険法では,市町村市介護保険事業計画,都道府県介護保険事業支援計画の策定を義務づけています。
市町村介護保険事業計画では,日常生活圏域を定めて,当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを定めます。
都道府県介護保険事業支援計画では,老人福祉圏域を定めて,当該区域における各年度の介護専用型特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数、介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数その他の介護給付等対象サービスの量の見込みを定めます。
市町村が定める圏域は,日常生活圏域です。
都道府県が定める圏域は,老人福祉圏域です。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題36 地域福祉における圏域に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 介護保険事業計画において,市町村が諸条件を総合的に勘案して定める区域を「福祉区」という。
2 「地域福祉計画策定の指針」において,地域福祉計画における地域住民参加の体制づくりの圏域として提案されたのが「日常生活圏域」である。
3 民生委員法では,民生委員は居住地である「地域自治区」において,その職務を行うものと規定されている。
4 「地域福祉のあり方研究会報告書」は,地域の福祉課題の性質に応じて適切な圏域を重層的に設けることの有効性について指摘した。
5 「地域ケア体制の整備指針」では,市町村ごとに「老人保健福祉圏域」を設定して,地域ケア体制の整備を推進するものとしている。
難しいものが並んでいますが,解答テクニックでも正解できそうな問題かもしれません。
それでは解説です。
1 介護保険事業計画において,市町村が諸条件を総合的に勘案して定める区域を「福祉区」という。
市町村介護保険事業計画で定める区域は「日常生活圏域」です。
2 「地域福祉計画策定の指針」において,地域福祉計画における地域住民参加の体制づくりの圏域として提案されたのが「日常生活圏域」である。
地域福祉計画における地域住民参加の体制づくりの圏域として提案されたのが,福祉区です。
3 民生委員法では,民生委員は居住地である「地域自治区」において,その職務を行うものと規定されている。
民生委員が職務を行うのは,「市町村内の区域」です。
4 「地域福祉のあり方研究会報告書」は,地域の福祉課題の性質に応じて適切な圏域を重層的に設けることの有効性について指摘した。
これが正解です。第22回国試では,「地域福祉のあり方研究会報告書」はこれで2回目の登場です。
5 「地域ケア体制の整備指針」では,市町村ごとに「老人保健福祉圏域」を設定して,地域ケア体制の整備を推進するものとしている。
老人保健福祉圏域を設定するのは,都道府県です。
〈今日の一言〉
解答テクニック的に解けるかもしれない,ということを先に書きました。
というのは,正解となっている選択肢は,ほかの選択肢とほんの少し内容が異なっているように思いませんか。
こういったほかの選択肢と異なるところに正解があることが多い傾向にあることは覚えておきたいです。