保護は,要保護者の居住地を管轄している福祉事務所が行います。
それでは,居住地が明らかではない人の保護は,どこが実施するのでしょうか。
その場合は,現在地保護という考え方が適用されます。
現在地とは,簡単に言えば,倒れていた場所です。
第22回・問題61 35歳独身のDさん(本籍地P市)は,Q市の会社で働いていたが,解雇されるまで住んでいたR市のアパート(住所地)を出ざるを得なくなった。新たな仕事は見つからずS市にある公園で野宿を続けていた。ある日公園で倒れていたところを警察官が発見し,通報により救急車で隣県T市の病院に搬送された。Dさんは,病院で肝硬変で当面入院が必要と診断されたが,医療費と生活費の捻出が困難なため生活保護の申請に至った。
次のうち,Dさんに対して生活保護を実施する福祉事務所の所在地として,適切なものを1つ選びなさい。
1 P市(Dさんの本籍地)
2 Q市(会社の所在地)
3 R市(Dさんの住所地)
4 S市(野宿をしていた公園の所在地)
5 T市(搬送された病院の所在地)
Dさんが倒れていた場所は,どこでしょうか。
複数の市が登場するので,混乱しがちですが,このような問題は,倒れていた場所を探すことが大切です。
Dさんが倒れていたのは,S市の公園です。
ということで,正解は,選択肢4だということになります。