地方財政は,今のところほとんど毎年出題されています。
こういったものを確実に覚えておくことはとても重要ですが,覚えにくいために正解するのは結構難しいものです。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題44 「地方財政白書」(平成21年版)に示された平成19年度の我が国の地方財政の状況に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(解説は最新の数字)
1 国と地方を通じた財政支出(最終支出・約150兆円)のうち,国と地方の割合は,およそ6:4である。
2 地方公共団体の歳出を目的別に見てみると,民生費が最も大きな割合を占め,以下,教育費,土木費の順となっている。
3 地方公共同体の民生費の歳出を目的別に見てみると,生活保護費が最も大きな割合を占め,以下,老人福祉費,児童福祉費の順となっている。
4 地方公共団体の歳入の純計(一般財源と特定財源を含む)において,地方税による歳入は,約6割を占めている。
5 市町村のうち,実質収支が赤字で,いわゆる赤字団体となっている自治体は,全体の約2割を占めている。
古い統計ですが,傾向は一切変わりません。
ポイントを押さえて覚えましょう。
それでは,解説です。
1 国と地方を通じた財政支出(最終支出・約150兆円)のうち,国と地方の割合は,およそ6:4である。
金額は異なっても,国と地方の割合は,現在も4:6で,地方のほうが多くなっています。
歳入は,逆に国が大きくなっています。
2 地方公共団体の歳出を目的別に見てみると,民生費が最も大きな割合を占め,以下,教育費,土木費の順となっている。
これが正解です。
2番目以降に変化はありますが,最も大きいのは民生費です。
面倒ですが,都道府県と市町村に分けると順位が異なります。
都道府県で最も大きいのは,教育費です。
市町村で最も大きいのは,民生費です。
ちょっと複雑ですが,こういったものをきっちり覚えられる人が合格をつかみ取ります。
3 地方公共同体の民生費の歳出を目的別に見てみると,生活保護費が最も大きな割合を占め,以下,老人福祉費,児童福祉費の順となっている。
2番目以降に変化はありますが,最も大きいのは児童福祉費です。
これも都道府県と市町村に分ける順位が異なります。
都道府県で最も大きいのは,老人福祉費です。
市町村で最も大きいのは,児童福祉費です。
4 地方公共団体の歳入の純計(一般財源と特定財源を含む)において,地方税による歳入は,約6割を占めている。3
地方税の割合は,約4割です。
使途が自由な財源 |
地方税(約40%) 地方交付税(約15%) |
使途が特定されている財源 |
国庫支出金(約15%) |
5 市町村のうち,実質収支が赤字で,いわゆる赤字団体となっている自治体は,全体の約2割を占めている。
赤字団体が2割もあったらもっと問題になっているはずです。
1割にも満たない1%未満です。