国際比較で出題されるのは
・アメリカ
・イギリス
・フランス
・ドイツ
・スウェーデン
・日本
の6か国です。
それぞれに特徴がありますが,特徴が出やすいのは,医療保障制度です。
イギリス,スウェーデンのように,社会保険制度を取らず税財源で運営されている。
アメリカのように,公的な医療保障制度よりも民間保険が充実している。
ドイツ,フランス,日本のように社会保険制度で運営されている。
といった感じです。
さて,今日の問題は,出題当時,不適切問題となったものです。
第22回・問題55 日本,フランス,ドイツ,イギリス,アメリカ,スウェーデンにおける社会保障制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民皆年金政策をとっているのは,日本とドイツである。
2 アメリカは,低所得者・高齢者を対象とした公的医療保障制度しかもっていない。
3 財源を租税とする医療保障制度をもっているのは,フランスとスウェーデンである。
4 GDP(国内総生産)に占める家族関係社会支出の割合が最も高いのは,アメリカである。
5 GDP(国内総生産)に占める私的医療費の割合が最も高いのは,日本である。
この問題が不適切問題となったのは,本当は選択肢2を正解にする予定だったものが,不正確なものになったからです。
アメリカの公的医療保障制度は,
低所得者を対象とするメディケイド
高齢者・障害者等を対象とするメディケア
で運営されています。
つまり,大多数を占める一般の人をカバーする公的医療保障制度は持ちません。
そのため,個別に民間医療保険に加入しています。
それでは,ほかの選択肢も確認します。
1 国民皆年金政策をとっているのは,日本とドイツである。
日本は,皆保険ですが,ドイツは皆保険ではありません。
3 財源を租税とする医療保障制度をもっているのは,フランスとスウェーデンである。
スウェーデンは,税財源で運営されていますが,フランスは社会保険で運営されます。
4 GDP(国内総生産)に占める家族関係社会支出の割合が最も高いのは,アメリカである。
アメリカは,主要各国の中では,最も低い水準になります。
アメリカが取っている政策は,基本的には,自助,それでどうしてもだめな場合は,公助というスタイルを取ります。
そのために,家族だけではなく,社会支出は最も低い国であることが特徴です。
5 GDP(国内総生産)に占める私的医療費の割合が最も高いのは,日本である。
私的医療費が最も高いのは,公的医療保障が充実していないアメリカです。
今日のような問題は,考えて答えを出さなければなりません。