生活保護の扶助の種類は,現在8つあります。
社会福祉士の国家試験は,8つの種類を覚えることだけではなく,それぞれがどんな内容になっているのかまで覚えないと得点になりません。
最も中心的なのは,生活扶助です。各種加算が含まれます。
そのうち,注意しなければならないのは,介護保険料加算です。
これは,65歳になると第一号被保険者になるので,その保険料に対応するための加算です。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題65 生活保護の扶助の種類とその内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 介護扶助には,介護保険の保険料は含まれない。
2 生業扶助には,就職のための就職支度費は含まれない。
3 葬祭扶助には,遺体の検案のための費用は含まれない。
4 生活扶助には,小学生の子どもの校外活動参加のための費用が含まれる。
5 教育扶助には,小中学校への入学準備金が含まれる。
この問題は,勉強不足の人はおそらく正解するのは難しいと思います。
実にうまい問題だと思います。
正解は,選択肢1です。
1 介護扶助には,介護保険の保険料は含まれない。
介護保険料に対応するのは,生活扶助の介護保険料加算です。
介護扶助は,被保護者が介護保険サービスを利用した場合の利用料を支給するものです。
それでは,ほかの選択肢も確認します。
2 生業扶助には,就職のための就職支度費は含まれない。
生業扶助は,以下の内容で構成されています。
・生業費
・就職支度費
・技能修得費
・高等学校等就学費
この中で,注意が必要なのは高等学校等就学費です。
教育扶助は,義務教育にかかる費用を支給するものです。
高校等の就学費は,教育扶助の対象にならないため,生業扶助で対応しています。
3 葬祭扶助には,遺体の検案のための費用は含まれない。
葬祭扶助には,遺体の検案のための費用も含みます。
4 生活扶助には,小学生の子どもの校外活動参加のための費用が含まれる。
小学生の校外活動参加のための費用は,教育扶助で対応します。
5 教育扶助には,小中学校への入学準備金が含まれる。
これも注意が必要なものです。
小中学校への入学準備金は,生活扶助の一時扶助で対応します。