社会保障関係費とは,国の予算のうちの社会保障にかかる経費のことです。
国家予算の3分の1を超えます。
そのうち最も大きいのは,年金給付費です。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題43 次に掲げる2017年度(平成29年度)の国の一般会計歳出予算の社会保障関係費の中で,予算額が最も多いものを1つ選びなさい。
1 年金給付費
2 少子化対策費
3 生活扶助等社会福祉費
4 保健衛生対策費
5 介護給付費
社会保障関係費の内訳が出題されたのは,実はこの時が初めてで,今のところはそのあとにも出題されていません。
その点では難しかった問題だと思いますが,考えるヒントはあります。
なぜなら,社会保障給付費の内訳は,何度も出題されているからです。
社会保障給付費の財源は,税+社会保険料+その他で構成され,そのうち最も多いのは,社会保険料であること合わせて覚えておきたいです。
社会保障給付費の内訳は
年金:5
医療:3
福祉その他:2
年金が最も大きくなっています。
そこから,社会保障関係費でも年金が最も大きいだろうと推測できそうです。
ということで,問題の正解は,選択肢1です。
1 年金給付費
それ以外の
2 少子化対策費
3 生活扶助等社会福祉費
4 保健衛生対策費
5 介護給付費
の4つは,社会保障給付費では,「福祉その他」に使われる財源です。
〈今日の一言〉
社会保障関係費の内訳は,先に書いたようにこれまで出題されたのはこの時だけです。
その理由は,あまり適切ではない状態にあるからではないかと思います。
2022年度における内訳
年金給付費 35.2%
医療給付費 33.3%
介護給付費 9.9%
少子化対策費 8.6%
生活扶助等社会福祉費 11.5%
保健衛生対策費 1.3%
雇用労災対策費 0.2%
年金給付費と医療給付費の差は大きくないのです。そのために,国家試験では,医療給付費を除いて出題したのでしょう。
国家試験では小さな差を問う出題は基本的にしないのです。