近年の国家試験では,かなり頻回に「評価」が問われています。
やりっぱなしはよくないということなのでしょう。
さて,今日のテーマは「プロセス評価」です。
プロセス評価は,政策やサービスのプログラムが提供される過程を評価するものです。
それでは,今日の問題です。
第27回・問題29 福祉サービスの評価に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 プロセス評価は,プログラムが適切な手順や方法で実施されたかどうかに着目して行われる。
2 評価において,サービス利用者の主観は排除すべきものである。
3 事業が,サービスの量や結果にかかわらず,以前よりも少ない費用で実施されるとき,その事業は効率的と評価できる。
4 パブリックコメントとは,地方自治体が自らの実施した福祉サービスの評価結果を公表する制度である。
5 第三者評価制度は,法令に定められた福祉サービスの運営基準が遵守されているかを確認するための仕組みである。
この科目が嫌いな人にとっては本当に嫌になるような問題かもしれません。
正解は,選択肢1です。
1 プロセス評価は,プログラムが適切な手順や方法で実施されたかどうかに着目して行われる。
いろいろな評価がありますが,そのうちでもプロセス評価は,わかりやすいものではないかと思います。
プロセスは,「過程」の意味なので,過程を評価することが直観的にわかります。
それではほかの選択肢も確認します。
2 評価において,サービス利用者の主観は排除すべきものである。
サービス利用者の主観は,評価では重要です。
だからこそ,プロセス評価が必要です。
結果は同じであっても,サービスを提供する過程に不適切なことがあると,満足度は下がります。
3 事業が,サービスの量や結果にかかわらず,以前よりも少ない費用で実施されるとき,その事業は効率的と評価できる。
一読すると適切であるように思う人もいるかもしれません。
しかし,効率的だと評価するためには,以前よりも少ない費用でサービスの量や結果が以前と同じであることが必要です。
4 パブリックコメントとは,地方自治体が自らの実施した福祉サービスの評価結果を公表する制度である。
パブリックコメントとは政策を作る段階で,市民から意見を求めることをいいます。
国のパブリックコメントは,政府の行政情報の検索・案内サービスである「e-Gov」(イーガブ)に掲載されています。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public
5 第三者評価制度は,法令に定められた福祉サービスの運営基準が遵守されているかを確認するための仕組みである。
第三者評価では,法令に定められた福祉サービスの運営基準が遵守されているかを確認することも行いますが,それだけにとどまらず,サービスの提供内容なども評価します。