今回もバウチャーです。
今日の問題を解く前に前回の復習です。
https://fukufuku21.blogspot.com/2022/11/blog-post_29.html
それでは今日の問題です。
第33回・問題26 福祉政策における資源供給の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 現金よりも現物で給付を行う方が,利用者の選択の自由を保障できる。
2 バウチャーよりも現金で給付を行う方が,利用者が本来の目的以外に使うことが生じにくい。
3 日本の介護保険法における保険給付では,家族介護者に対して現金給付が行われることはない。
4 負の所得税は,低所得者向けの現金給付を現物給付に置き換える構想である。
5 普遍主義的な資源の供給においては,資力調査に基づいて福祉サービスの対象者を規定する。
3年間の過去問だけでは合格できる情報量にはまったく足りません。
この出題の前にバウチャーが出題されたのは,なんと10年前の第24回です。その前は第21回に出題されています。
3年間の過去問をしっかりやれば正解できると言う人がいますが,それは完全に過去の話です。
さて,この問題の正解は,選択肢3です。
3 日本の介護保険法における保険給付では,家族介護者に対して現金給付が行われることはない。
国試には
言い切り表現に正解少なし
という傾向がありますが,制度は言い切っていても正解になることがあります。
ドイツの介護保険には家族介護者に対する現金給付がありますが,日本の介護保険はこの制度を採用していません。
なぜなら,介護保険は,それまで家族が担っていた介護を社会化することが目的にあったからです。
それではほかの選択肢も解説します。
1 現金よりも現物で給付を行う方が,利用者の選択の自由を保障できる。
利用者の選択の自由を保障できるのは,現金給付です。
2 バウチャーよりも現金で給付を行う方が,利用者が本来の目的以外に使うことが生じにくい。
利用者が本来の目的以外に使うことが生じにくいのは,バウチャーです。
4 負の所得税は,低所得者向けの現金給付を現物給付に置き換える構想である。
負の所得税とは,所得控除される金額までに至らなかったその差額分を給付するものです。
5 普遍主義的な資源の供給においては,資力調査に基づいて福祉サービスの対象者を規定する。
普遍主義では,資力調査を用いません。
資力調査に基づいて資源を配分するのは,選別主義です。
普遍主義と選別主義では,どちらが優れているのかということはありません。
ニーズに合わせて適切な配分方法が異なるからです。選別主義のほうが普遍主義に比べると資源を厚く配分することができます。