2022年12月1日木曜日

社会福祉法の成立

社会福祉法は,従来の社会福祉事業法を2000年に改正したものです。

 

それでは今日の問題です。

 

31回・問題30 社会福祉法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 第一種社会福祉事業の経営は,国・地方公共団体に限定されている。

2 2000年(平成12年)の社会福祉基礎構造改革の際に,社会福祉事業法の題名が改められたものである。

3 「社会福祉事業」を行わない事業者であっても社会福祉に関連する活動を行う者であれば,社会福祉法人の名称を用いることができる。

4 市町村に対して,福祉人材センターの設置を義務づけている。

5 国,地方公共団体と社会福祉事業を経営する者との関係を規定した「事業経営の準則」は,社会福祉法では削除された。

 

不思議な問題です。この時に受験した人はあっけにとられたのではないかと思います。

 

正解は,内容を問われたものではなかったからです。

そのため,何か裏があるのではないかと思って,正解を選ぶことができないのです。

 

それでは解説です。

 

1 第一種社会福祉事業の経営は,国・地方公共団体に限定されている。

 

重要なものが抜けています。

 

このほかに社会福祉法人が含まれます。

 

2 2000年(平成12年)の社会福祉基礎構造改革の際に,社会福祉事業法の題名が改められたものである。

 

これが正解です。

 

制度の内容ではなく,題名が変わったことを問う問題です。

 

実に不思議な問題です。

 

3 「社会福祉事業」を行わない事業者であっても社会福祉に関連する活動を行う者であれば,社会福祉法人の名称を用いることができる。

 

社会福祉法人は,社会福祉事業を行うことを目的とする特別法人です。

 

社会福祉事業を行わない法人は,社会福祉法人として認可されることはありません。

 

4 市町村に対して,福祉人材センターの設置を義務づけている。

 

福祉人材センターは,都道府県が指定します。

 

また,設置は任意です。

 

5 国,地方公共団体と社会福祉事業を経営する者との関係を規定した「事業経営の準則」は,社会福祉法では削除された。

 

事業経営の準則

第六十一条 国、地方公共団体、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者は、次に掲げるところに従い、それぞれの責任を明確にしなければならない。

一 国及び地方公共団体は、法律に基づくその責任を他の社会福祉事業を経営する者に転嫁し、又はこれらの者の財政的援助を求めないこと。

二 国及び地方公共団体は、他の社会福祉事業を経営する者に対し、その自主性を重んじ、不当な関与を行わないこと。

三 社会福祉事業を経営する者は、不当に国及び地方公共団体の財政的、管理的援助を仰がないこと。

 

このように,事業経営の準則は,現在の規定があります。

 

廃止された規定を出題してそれを正解にするのは,問題の意義として弱いように思います。

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