2022年12月26日月曜日

市町村社会福祉協議会

全国社会福祉協議会と都道府県社会福祉協議会は,1951年(昭和26)年の社会福祉事業法によって法制化されたのに対し,市町村社会福祉協議会は,1983年(昭和58)年の社会福祉事業法の改正によって法制化されました。

 

社会福祉法の規定

(市町村社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会)

 第百九条 市町村社会福祉協議会は、一又は同一都道府県内の二以上の市町村の区域内において次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であつて、その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が参加し、かつ、指定都市にあつてはその区域内における地区社会福祉協議会の過半数及び社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が、指定都市以外の市及び町村にあつてはその区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとする。

一 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施

二 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助

三 社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成

四 前三号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業

2 地区社会福祉協議会は、一又は二以上の区(地方自治法第二百五十二条の二十に規定する区及び同法第二百五十二条の二十の二に規定する総合区をいう。)の区域内において前項各号に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であつて、その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が参加し、かつ、その区域内において社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとする。

3 市町村社会福祉協議会のうち、指定都市の区域を単位とするものは、第一項各号に掲げる事業のほか、その区域内における地区社会福祉協議会の相互の連絡及び事業の調整の事業を行うものとする。

4 市町村社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会は、広域的に事業を実施することにより効果的な運営が見込まれる場合には、その区域を越えて第一項各号に掲げる事業を実施することができる。

5 関係行政庁の職員は、市町村社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会の役員となることができる。ただし、役員の総数の五分の一を超えてはならない

6 市町村社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会は、社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者から参加の申出があつたときは、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。

 

それでは,今日の問題です。

 

22回・問題37 社会福祉法における地域福祉の推進等に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 地方社会福祉審議会とは,都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の長の監督に属し,その諮問に答え,関係行政庁からの意見を踏まえて行政計画等を策定する機関である。

2 社会福祉法第4条では,地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が,相互に協力し,地域福祉の推進に努めなければならないとされた。

3 厚生労働省社会・援護局長の通知により,社会福祉法第107条に規定された地域福祉支援計画の策定に当たって,都道府県は要援護者支援方策を盛り込むことが義務づけられた。

4 市町村社会福祉協議会は,社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の三分の一以上が参加するものとする。

5 共同募金を行う事業は,第二種社会福祉事業であり,社会福祉協議会以外の者は共同募金を行ってはならない。

 

古い問題です。

 

しかし,今でも十分に使える問題です。

 

それでは,解説です。

 

1 地方社会福祉審議会とは,都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の長の監督に属し,その諮問に答え,関係行政庁からの意見を踏まえて行政計画等を策定する機関である。

 

地方社会福祉審議会とは,都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の長の監督に属し,その諮問に答え

 

ここまでは適切です。

 

関係行政庁からの意見を踏まえて行政計画等を策定する機関である。

ここがでたらめです。

 

正しくは,「関係行政庁に意見を具申する」です。

 

2 社会福祉法第4条では,地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が,相互に協力し,地域福祉の推進に努めなければならないとされた。

 

これが正解です。

 

〈地域福祉の推進主体〉

・地域住民

・社会福祉を目的とする事業を経営する者

・社会福祉に関する活動を行う者

 

この3つを合わせて「地域住民等」といいます。

 

3 厚生労働省社会・援護局長の通知により,社会福祉法第107条に規定された地域福祉支援計画の策定に当たって,都道府県は要援護者支援方策を盛り込むことが義務づけられた。

 

このような規定はありません。

 

地域福祉(支援)計画の策定は,義務ではありません。そこから考えても盛り込むものが義務になることはないとだろうと推測することが可能です。

 

4 市町村社会福祉協議会は,社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の三分の一以上が参加するものとする。

 

三分の一以上ではなく,二分の一以上です。

 

これまでに何度も出題されています。確実に押さえたいです。

 

5 共同募金を行う事業は,第二種社会福祉事業であり,社会福祉協議会以外の者は共同募金を行ってはならない。

 

この選択肢は,2か所の誤りがあります。

 

1つめ

誤 第二種社会福祉事業

 

正 第一種社会福祉事業

 

2つめ

誤 社会福祉協議会以外の者は共同募金を行ってはならない。

 

正 共同募金会以外の者は共同募金を行ってはならない。

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