地域福祉活動計画は,市町村社会福祉協議会が策定していますが,地域福祉計画のように法的に定められたものではありません。
そのため,地域福祉活動計画が出題されたとしてもおそらく正解になることはほとんどないだろうと思います。
つまり,引っ掛けとして出題されるタイプのものだと言えます。
そうでなかったものは,唯一です。
第28回・問題46 市町村地域福祉計両及び社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 両計画は,共に地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者,ボランティアなどを地域福祉を推進する担い手として位置づけている。
2 両計画は,共に社会福祉法に根拠を置いている。
3 両計画は,共にその達成を支援するための都道府県による支援計画がある。
4 両計画は,共に計画期間を3年として策定することとされている。
5 両計画は,共にその策定及び事業の実施に関して国庫補助が受けられる。
正解は,選択肢1です。この出題がぎりぎりのところでしょう。地域福祉活動計画は法規定がないので,正解として出題するための根拠に弱いためです。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題35 社会福祉法に規定されている社会福祉協議会の活動などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 市町村社会福祉協議会は,市町村地域福祉計画と一体となった地域福祉活動計画を策定するとされている。
2 市町村社会福祉協議会は,区域内における社会福祉事業又は社会福祉に関する活動を行う者の過半数が参加するものとされている。
3 市町村社会福祉協議会は,主要な財源確保として共同募金事業を行っている。
4 市町村社会福祉協議会は,「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。
5 都道府県社会福祉協議会は,広域的見地から市町村社会福祉協議会を監督する。
選択肢1に地域福祉活動計画が出題されています。
この問題は,少々厳密さに欠ける問題となっています。しかし,私たちは評論家ではないので,正解できれば良いわけです。
厳密さに欠けるのは,正解となったのは選択肢4だからです。
4 市町村社会福祉協議会は,「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。
「社会福祉事業よりも広い範囲の事業である」
これがちょっと気になる点です。しかし,市町村社協が行っている事業を思い起こせば,間違いはなさそうだ,と考えることができるはずです。
国家試験合格に必要なことはたくさんありますが,このような柔軟な思考ができるかどうかは極めて重要です。
知識があっても知恵のない社会福祉士は,福祉現場では必要とされません。
それでは,ほかの選択肢を解説します。
1 市町村社会福祉協議会は,市町村地域福祉計画と一体となった地域福祉活動計画を策定するとされている。
今日のテーマの地域福祉活動計画の出題です。
福祉計画を苦手と思っている受験生が多いので,このような問題でも,焦ってしまいミスします。
地域福祉活動計画が出題された場合は,慎重に考えることが必要です。
もちろんこんな規定はありません。
2 市町村社会福祉協議会は,区域内における社会福祉事業又は社会福祉に関する活動を行う者の過半数が参加するものとされている。
これは,びっくりするような引っ掛けが仕掛けられています。
誤 社会福祉事業又は社会福祉に関する活動を行う者
正 社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者
過半数のところに目がいくので,その前の部分を見落とすのです。丁寧に読むことが必要です。
3 市町村社会福祉協議会は,主要な財源確保として共同募金事業を行っている。
共同募金を行えるのは,共同募金会のみです。
4 市町村社会福祉協議会は,「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。
先に書いたように,これが正解です。
ほかのものが消去できれば,正解が残るタイプの問題です。
5 都道府県社会福祉協議会は,広域的見地から市町村社会福祉協議会を監督する。
都道府県社会福祉協議会は,市町村社会福祉協議会の上部団体ではありません。このような権限はもちません。