住民参加型在宅福祉サービスは,地域住民の自発的なものであり,非営利性,有償性,互酬性,会員制等を特徴とした団体が提供するものです。
1980年代に登場し,現在は,NPO法人などの法人格を取得して,独自事業や介護保険サービスなどを提供する団体もあります。
それでは,今日の問題です。
第21回・問題36 「住民参加型在宅福祉サービス団体」(以下,「団体」という。)の特徴に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 団体には「行政関与型」,「社協運営型」,「生活協同組合型」,「住民互助型」などがあるが,その中で最も数が多いのは「社協運営型」(2005年時点)で,全体の約半数を占めている。
2 団体のサービスは,第二種社会福祉事業に該当するので,団体は社会福祉法人,特定非営利活動法人などの法人格を,団体を設立してから3年以内に取得することが義務づけられている。
3 団体の協力会員(サービス提供者)には,社会福祉従事者として一定の専門性が求められるので,社会福祉法で協力会員の半数は,介護福祉士などの有資格者を含むこととされている。
4 団体の活動は,住民による地域福祉活動であるので,介護保険制度における介護保険事業は行えない。
5 団体の活動は,地域住民の自発的なものであり,非営利性,有償性,互酬性,会員制等を特徴とする。
正解は,選択肢5です。
5 団体の活動は,地域住民の自発的なものであり,非営利性,有償性,互酬性,会員制等を特徴とする。
もう1問です。
第32回・問題33 地域福祉における住民の参加を促進する仕組みや制度に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 1960年代に徳島県社会福祉協議会等に設置された善意銀行は,住民が支援を必要とする個人・団体に対して労力・技術・金品等を提供した場合に,銀行が費用を助成する仕組みである。
2 1970年代に開始された学童・生徒のボランティア活動普及事業は,学童•生徒のボランティア活動の促進を目的として,全国全ての公立小・中学校に助成を行う事業である。
3 1980年代以降全国に広がった住民参加型在宅福祉サービスは,有償性・非営利性・会員制を主な特徴とし,地域で支援を必要とする人々に対して家事援助・外出支援等のサービスを提供する活動である。
4 1990年代に全国で実施されたふれあいのまちづくり事業は,障害者等の社会参加を保障することを目的として,市町村が公共施設などにおけるバリアフリー化を促進するための事業である。
5 2000年代に道路運送法の改正により法制化された福祉有償運送は,社会福祉施設が所有する福祉車両を要援護者等に有償で貸し出す仕組みである。
正解は,選択肢3です。
3 1980年代以降全国に広がった住民参加型在宅福祉サービスは,有償性・非営利性・会員制を主な特徴とし,地域で支援を必要とする人々に対して家事援助・外出支援等のサービスを提供する活動である。
住民参加型在宅福祉サービスは,地域共生社会における福祉サービス提供の担い手として期待されるので,これからも出題されると思います。
住民参加型在宅福祉サービスの「互酬性」が地域共生社会に求められるからです。
今までは以下で出題されています。
第9回
第15回
第21回
第23回
第24回
第30回
第32回
第32回の問題は出題が上手です。歴史の問題に見せかけて,今に求められるものを正解にしているからです。
文脈から読み取れないのは,正解になりにくいものです。これが国家試験です。