感情の反映は,クライエントが語った話から感情をワーカーがくみ取って,その感情をクライエントに返す技法です。
第22回・問題104
婦人相談所の配偶者暴力相談支援センターに,夫の暴力の相談で来所したNさん(31歳,女性)が,「私は一体これからどうしたらいいでしょうか。小さい子どもを抱えて別れることもできず,ただこの状況に耐え続けるしかないのでしょうか」といって沈黙した。それに対して,相談員(社会福祉士)は「今は八方ふさがりの状態で,とてもおつらいのですね」と応じた。
次のうち,この相談面接の技法を表すものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 直視
2 要約
3 感情の反映
4 助言・提案
5 自己開示
婦人相談所は,現時点(2023年8月)では,存在する機関ですが,売春防止法の改正によって,2024年3月に廃止となります。
同年4月からは「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行され,同法が規定する「女性相談支援センター」に生まれ変わります。
今後,勉強する人はこの問題を見て「婦人相談所って何だろう」と思う時代がくることでしょう。
さて,この問題の正解は選択肢3です。
3 感情の反映
第30回の問題と同様に,クライエントの言葉を「とてもおつらいのですね」と「つらい」という言葉を使って返しています。
感情は,うれしい,楽しい,というタイプのものもありますが,ソーシャルワーク場面で返す感情は,悲しい,苦しい,辛い,といったタイプになるのだと思います。