国民健康保険団体連合会(国保連)は,市町村から委託を受けて
・国民健康保険と後期高齢者医療制度の診療報酬の審査・支払い
・介護保険の介護報酬の審査・支払い
などを行っています。
介護保険関係では,これらのほかに,
・指定事業者の資質の向上に関する調査,必要な指導及び助言
・介護保険施設等の運営
・介護保険事業の円滑な運営に資する事業 など
を行います。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題132
次の記述のうち,国民健康保険団体連合会の介護保険制度における役割として,正しいものを1つ選びなさい。
1 介護保険の財政の安定化に資する事業に必要な費用を充てるため,財政安定化基金を設ける。
2 介護サービス事業者が利用者に提供したサービスに伴う介護給付費の請求に関し,市町村から委託を受けて,審査及び保険給付の支払を行う。
3 介護サービスの苦情処理等の業務や事業者・施設への指導・助言のための機関として,運営適正化委員会を設置する。
4 市町村が介護認定審査会を共同設置する場合に,市町村間の調整や助言等の必要な援助を行う。
5 保険給付に関する処分や保険料などの徴収金に関する処分について,不服申立ての審理・裁決を行うための機関として,介護保険審査会を設置する。
国保連に関する出題は
近年では,第29回,第30回,第33回に1問丸ごと出題されています。
それでは解説です。
1 介護保険の財政の安定化に資する事業に必要な費用を充てるため,財政安定化基金を設ける。
財政安定化基金を設けるのは,都道府県の役割です。
2 介護サービス事業者が利用者に提供したサービスに伴う介護給付費の請求に関し,市町村から委託を受けて,審査及び保険給付の支払を行う。
これが正解です。
業務内容とともに,どこから委託を受けていて業務を行っているのかも押さえておきたいです。
3 介護サービスの苦情処理等の業務や事業者・施設への指導・助言のための機関として,運営適正化委員会を設置する。
社会福祉法に規定される運営適正化委員会は,福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは,助言,苦情の解決のあっせんを行います。設置するのは都道府県社会福祉協議会です。
国保連は,介護サービスの苦情処理等の業務や事業者・施設への指導・助言を行います。
法律では名称を規定していませんが,国保連はこの業務を行うために介護サービス苦情処理委員会を設置しています。
苦情申立て機関
福祉サービス ➡ 運営適正化委員会
介護サービス ➡ 国民健康保険団体連合会
4 市町村が介護認定審査会を共同設置する場合に,市町村間の調整や助言等の必要な援助を行う。
市町村間の調整や助言等の必要な援助は,都道府県が行います。
5 保険給付に関する処分や保険料などの徴収金に関する処分について,不服申立ての審理・裁決を行うための機関として,介護保険審査会を設置する。
介護保険審査会は,都道府県が設置します。