グループワーク(集団援助技術)におけるプログラム活動とは,グループの目的達成のために計画して,実施するものです。
プログラム活動は,手段であり,目的ではありません。
プログラム活動が目的化してしまうと,プログラム活動自体を計画通りに実行しようとして,また,計画通りに進まなければ,グループワーカーは焦ってしまいます。
それでは,今日の問題です。
第35回・問題111
ソーシャルワークにおけるグループワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 グループワークとは,複数の人を対象に行う集団面接のことである。
2 グループの開始期において,ソーシャルワーカーはグループの外から見守る。
3 グループワークでは,「今,ここで」が大切なので,事前準備は控える。
4 グループワークにおけるプログラム活動の実施は,手段ではなく目的である。
5 グループワークは,個々のメンバーの社会的に機能する力を高めるために行う。
試験委員の頑張りがわかるような問題です。
それに応えて頑張って解きましょう。
1 グループワークとは,複数の人を対象に行う集団面接のことである。
複数の人を対象に行う集団面接のことは,グループ・インタビューです。
2 グループの開始期において,ソーシャルワーカーはグループの外から見守る。
グループの開始期は,契約や制限などワーカーが行うべきことはたくさんあるプロセスです。
3 グループワークでは,「今,ここで」が大切なので,事前準備は控える。
準備期にも行うべきことはたくさんあります。
その中でも,クライエントの抱える問題,環境,行動特性をワーカーが事前に把握する波長合わせは重要です。
4 グループワークにおけるプログラム活動の実施は,手段ではなく目的である。
ようやく,今日のテーマが登場してきました。
グループワークにおけるプログラム活動の実施は,目的ではなく手段です。
5 グループワークは,個々のメンバーの社会的に機能する力を高めるために行う。
これが正解です。
グループワーク(集団援助技術)は,集団を活用して,メンバーが抱える問題の解決を図るために行います。
集団を活用できないなら,グループワークを行う意味がありません。
次回はそんな問題を紹介したいと思います。