合格したいなら,取るべき問題は確実に取る!!
何を今さら言っているのか? と思う人もいるはずです。
しかししかし・・・
国試会場では何が起きるかわからないものです。
落ち着いて読めば得点出来た
毎年国試が終わるといろいろな場所で聞かれる言葉です。
国試は本当に怖いなぁ,と思う瞬間です。
国試会場での条件はみんな同じ。厳しい環境,限られた時間で必要な点数以上を取るためには・・・
確実に得点すべき問題は,確実に得点すること
そのためには,日常の訓練が欠かせません。
それでは,今日の問題です。
第26回・問題51
我が国の2010年度(平成22年度)における社会保障給付費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会保障財源では,公費負担の方が社会保険料よりも大きい。
2 社会保障財源の公費負担のうち,およそ50%が国庫負担である。
3 社会保障給付費は,約140兆円に達している。
4 医療,年金,福祉その他に分類すると,割合が最も大きいのは年金である。
5 社会保障給付費の対国内総生産比は30%を超えている。
社会保障給付費はかなりの頻度で出題されます。その点では必ず得点したい問題の典型と言えるでしょう。
だからと言って,誰でも簡単には問題は作られないのが国試の特徴です。
また別の仕掛けもされています。
特に後から学ぶ人は,別の仕掛けに注目すべき問題です。
さて,それではそれぞれを見ましょう。
1 社会保障財源では,公費負担の方が社会保険料よりも大きい。
1950年の社会保障制度審議会では,「日本の社会保障制度の中心は社会保険」と述べたことを覚えている人もいるのではないでしょうか。
さらに62年勧告では,
一般所得層は「社会保険」
低所得者は「社会福祉」
貧困層は「生活保護」で対応する
と述べました。
日本の相対的貧困率が高いと言っても20%もありません。(公費)
保護率が高いと言っても2パーセントもありません。(公費)
国民の最大多数は一般所得層です。
最大多数は,社会保険で対応されています。(社会保険料)
いつの時代も社会保険料の方が大きいことになります。
それで対応できない所得層は「社会福祉」「生活保護」で対応します。
公費は少数派ですから,社会保険料より大きくなるようには制度設計されていません。
社会保険料の方が大きくなるのは当然のことです。
よって×。
2 社会保障財源の公費負担のうち,およそ50%が国庫負担である。
国庫負担と地方負担ではどうなっているのかがわからないと解けない問題です。
とりあえず▲をつけておきます。
調べてみると国庫負担は70%だそうです。よって×。
しかし,これもヒントはあります。
介護保険の公費負担は,だいたい国と地方では半々ですが,生活保護は国家責任で行われているので国が4分の3を負担しています。
それらから考えてみると,国庫負担の大きいのではないかと推測することは出来ます。
直接の答えはわからなくても,持っている知識を最大限に活用することで,推測することができます。
なぜなら,起きている事象は何らかの理由があるからです。
3 社会保障給付費は,約140兆円に達している。
現在は約140兆円弱くらいですが,平成22年度時点では約100兆円でした。
どちらにしても×。
これは自信をもって×をつけたいです。
4 医療,年金,福祉その他に分類すると,割合が最も大きいのは年金である。
年金・医療・福祉その他の割合は,約5:3:2となっています。最も大きいのは年金です。
よって正解。自信をもって〇をつけたいです。
5 社会保障給付費の対国内総生産比は30%を超えている。
30%ではなく,20%です。
よって×。
<今日の一言>
多くの問題は,取れそうで取れないものの連続である。
こういうところに,得点差が出てきます。決して深い知識は求められているわけではありません。
AはCである
という単純図式の問題が少ないだけです。
Bの知識を使って,Cを導き出します。
このブログでその訓練をしていきましょう。
過去問を単に解くことを行っていては,何度受験しても合格をつかむのは難しいです。国試はそんなに簡単には得点できないように作られているからです。
もちろん,今日の問題のような,AはCである,と言った単純図式の問題も出題されます。それは絶対に正解したいです。