今回は,人と環境に関するソーシャルワーク理論を学びます。
人名 |
内容 |
リッチモンド |
パーソナリティの変容を目指し,人と環境との間を個別に意識的に調整すると説いた。 |
ピンカスとミナハン |
クライエントの環境は,アクション・システムなど,複数のシステムから構成されると説いた。 |
ホリス |
「人」,「状況」,「人と状況の相互作用」の三重の相互関連性を説いた。 |
バートレット |
人々が試みる対処と環境からの要求との交換や均衡を,社会生活機能という概念で説いた。 |
ジャーメイン |
生態学的視座に立ち,人が環境の中で生活し,社会的にも機能していると説いた。 |
これを覚えたところで,今日の問題です。
第33回・問題98
次の記述のうち,人と環境との関係に関するソーシャルワーク理論として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 リッチモンド(Richmond,M.)は,「人」,「状況」,「人と状況の相互作用」の三重の相互関連性を説いた。
2 ピンカス(Pincus,A.)とミナハン(Minahan,A.)は,生態学的視座に立ち,人が環境の中で生活し,社会的にも機能していると説いた。
3 ホリス(Hollis,F.)は,パーソナリティの変容を目指し,人と環境との間を個別に意識的に調整すると説いた。
4 バートレット(Bartlett,H.)は,人々が試みる対処と環境からの要求との交換や均衡を,社会生活機能という概念で説いた。
5 ジャーメイン(Germain,C.)は,クライエントの環境は,アクション・システムなど,複数のシステムから構成されると説いた。
知識不足だと5分の1以上の確率で正解することは困難です。
それでは解説です。
1 リッチモンド(Richmond,M.)は,「人」,「状況」,「人と状況の相互作用」の三重の相互関連性を説いた。
これは,ホリスの内容を述べたものです。
2 ピンカス(Pincus,A.)とミナハン(Minahan,A.)は,生態学的視座に立ち,人が環境の中で生活し,社会的にも機能していると説いた。
これは,ジャーメインの内容を述べたものです。
3 ホリス(Hollis,F.)は,パーソナリティの変容を目指し,人と環境との間を個別に意識的に調整すると説いた。
これは,リッチモンドの内容を述べたものです。
パーソナリティの変容を目指し,人と環境との間を個別に意識的に調整することは,リッチモンドが述べたソーシャル・ケース・ワークの定義です。
確実に覚えたいです。
4 バートレット(Bartlett,H.)は,人々が試みる対処と環境からの要求との交換や均衡を,社会生活機能という概念で説いた。
これが正解です。
5 ジャーメイン(Germain,C.)は,クライエントの環境は,アクション・システムなど,複数のシステムから構成されると説いた。
これは,ピンカスとミナハンの内容を述べたものです。
〈覚え方のコツ〉
文章をそのまま覚えるのはかなり難しいものです。
覚えるポイントをなるべくシンプルにするのが覚え方のコツです。
〈例〉
ホリス → 状況の中の人
バートレット → 社会生活機能
ジャーメイン → 生態学あるいはエコロジカル
これだと「暗記が苦手」という人も覚えられそうだと思いませんか?