今回は,社会福祉士及び介護福祉士法です。
社会福祉士の定義
社会福祉士の名称を用いて,専門的知識及び技術をもつて,身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ,助言,指導,福祉サービスを提供する者又は福祉サービス関係者等との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。 |
義務等
誠実義務 → 2007年の法改正で加わった その担当する者が個人の尊厳を保持し,自立した日常生活を営むことができるよう,常にその者の立場に立って,誠実にその業務を行わなければならない。 信用失墜行為の禁止 社会福祉士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。 秘密保持義務 正当な理由がなく,その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士でなくなった後においても,同様とする。 違反した者は,1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。 連携 その業務を行うに当たっては,その担当する者に,福祉サービス等が総合的かつ適切に提供されるよう,地域に即した創意と工夫を行いつつ,福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。 資質向上の責務 → 2007年の法改正で加わった 社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため,相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。 |
厚生労働大臣は,「信用失墜行為の禁止」と「秘密保持義務」に違反した者の登録を取り消し,又は期間を定めて社会福祉士の名称の使用の停止を命ずることができます。
それでは今日の問題です。
第33回・問題91
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている社会福祉士に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉士は資格更新のため,7年ごとに所定の講習を受講しなければならない。
2 社会福祉士は相談業務を行う上で,クライエントの主治医の指示を受けなければならない。
3 社会福祉士の「信用失墜行為の禁止」は,2007年(平成19年)の法律改正によって加えられた。
4 社会福祉士の「秘密保持義務」は,社会福祉士の業務を離れた後においては適用されない。
5 社会福祉士はその業務を行うに当たって,福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。
社会福祉士を目指すなら,必ず覚えなければならないものです。確実に正解しなければなりません。
それでは解説です。
1 社会福祉士は資格更新のため,7年ごとに所定の講習を受講しなければならない。
社会福祉士には,資格の更新制はありません。
2 社会福祉士は相談業務を行う上で,クライエントの主治医の指示を受けなければならない。
社会福祉士が業務を行うにあたって,指示を受けなければならない職種はありません。
介護福祉士は,喀痰吸引等を行う際には,医師の指示を受けなければなりません。
3 社会福祉士の「信用失墜行為の禁止」は,2007年(平成19年)の法律改正によって加えられた。
社会福祉士の義務等のうち,2007年改正で加わったのは,「誠実義務」と「資質向上の責務」です。
4 社会福祉士の「秘密保持義務」は,社会福祉士の業務を離れた後においては適用されない。
社会福祉士でなくなった後であっても,秘密保持義務は同様に適用されます。
5 社会福祉士はその業務を行うに当たって,福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。
これが正解です。
〈今日のヒント〉
福祉サービス関係者等とは以下の職種のことです。
福祉サービス関係者等
福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者 |
それでわかるように,医師は福祉サービス関係者等に含まれます。
つまり,社会福祉士は,医師との関係においては,連絡及び調整その他を行います。