今回は,精神保健福祉士と医師の関係を学びます。
精神保健福祉士は,その業務を行うに当たって精神障害者に主治の医師があるときは,その指導を受けなければならない。
この規定は,社会福祉士にはありません。
社会福祉士と医師との関係は,連携です。
社会福祉士は,その業務を行うに当たつては,その担当する者に,福祉サービス及びこれに関連する保健医療サービスその他のサービスが総合的かつ適切に提供されるよう,地域に即した創意と工夫を行いつつ,福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。
※福祉サービス関係者等
医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者
それでは今日の問題です。
精神保健福祉士
第16回・問題23
福祉専門職の国家資格に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 精神保健福祉士と社会福祉士は,基盤となるソーシャルワークの理念,倫理,価値において異なる。
2 精神保健福祉士,社会福祉士,介護福祉士は,それぞれが福祉の相談援助専門職として異なる法律によって規定された国家資格である。
3 社会福祉士は,身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者を相談援助の対象としている。
4 社会福祉士は,精神保健福祉士と同様に,対象者に主治医がいる場合には,その指導を受けると規定されている。
5 社会福祉士は,精神保健福祉士と同様に,日常生活への適応のために必要な訓練を行う,リハビリテーションの専門職としても位置づけられている。
社会福祉士と精神保健福祉士を並べて出題したものです。
今後は,こういった出題が多くなるのではないかと思います。
それでは,解説です。
1 精神保健福祉士と社会福祉士は,基盤となるソーシャルワークの理念,倫理,価値において異なる。
社会福祉士と精神保健福祉士の基盤は,共通です。
いずれもソーシャルワーカーだからです。
バートレットの「ソーシャルワーク実践の共通基盤」もありますし,ソーシャルワーク専門職のグローバル定義もあります。
2 精神保健福祉士,社会福祉士,介護福祉士は,それぞれが福祉の相談援助専門職として異なる法律によって規定された国家資格である。
社会福祉士と介護福祉士は,同じ法律「社会福祉士及び介護福祉士法」が根拠法です。
3 社会福祉士は,身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者を相談援助の対象としている。
これが正解です。
社会福祉士の定義
社会福祉士の名称を用いて,専門的知識及び技術をもつて,身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ,助言,指導,福祉サービスを提供する者又は福祉サービス関係者等との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。 |
4 社会福祉士は,精神保健福祉士と同様に,対象者に主治医がいる場合には,その指導を受けると規定されている。
ようやく今日のテーマの登場です。
この規定があるのは,精神保健福祉士です。
社会福祉士にはこの規定はありません。医師との関係は,連携です。
5 社会福祉士は,精神保健福祉士と同様に,日常生活への適応のために必要な訓練を行う,リハビリテーションの専門職としても位置づけられている。
精神保健福祉士の定義
精神保健福祉士の名称を用いて,精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって,精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け,若しくは精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談又は精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談に応じ,助言,指導,日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいう。 |
精神保健福祉士は,日常生活への適応のために必要な訓練を行います。
しかし,社会福祉士は,リハビリテーション専門職ではありません。