2024年10月12日土曜日

社会福祉士及び介護福祉士法の成立の背景

 

社会福祉士及び介護福祉士法は,社会福祉士の根拠法だけに,どんな問題が出題されても良いくらいには,理解しておきたいです。

 

新カリの出題基準で,気になるのは「法制度成立の背景」です。

 

これに関しては,精神保健福祉士の専門科目で出題されたことがあるだけです。

 

今回は,その問題を取り上げます。

 

(精神保健福祉士)第25回・問題22

次の記述のうち,社会福祉士及び介護福祉士法制定の背景として,適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉基礎構造改革の議論が行われ,個人の多様な需要に対し,地域での総合的な支援のための人材が求められた。

2 障害福祉サービスにおいて,ケアマネジメントを用いた生活支援を展開するための人材が求められた。

3 増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。

4 福祉三法が整備される中,各都道府県等に社会福祉行政を担当する人材を配置することが求められた。

5 高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を営めるよう,地域包括ケアシステムの構築を推進する人材が求められた。

 

この問題の第25回とは,社会福祉士の第35回国家試験の時のものです。

 

新しいカリキュラムに移行することを見据えて出題したと考えてよいと思います。

 

今回のカリキュラムは,4年間かけてゆっくり導入されてきたこともあり,そういったことができたのです。旧カリの出題基準になかったものを小出しにして,新カリに備えた問題も存在しています。

 

正解は,選択肢3です。

 

3 増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。

 

これ以外はすべて嘘です。

 

社会福祉士の資格化は,昭和40年代に一度検討されましたが,成立までには至らず,高齢社会の到来に備えて介護の専門職として介護福祉士を作る時に,社会福祉士も抱き合わせで成立しました。

 

こういった制度成立の背景によって,当初のカリキュラムには「介護概論」という科目がありました。平成19年度カリキュラム改正では,この科目がなくなり,「高齢者に対する支援と介護保険制度」にその内容の一部が含められました。

 

令和元年度カリキュラム改正の「高齢者福祉」では,完全に介護技術に関する内容はなくなりました。

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