2024年10月4日金曜日

更生保護法の目的

 

今回は,更生保護法の目的です。

 

更生保護法の目的

犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内において適切な処遇を行うことにより,再び犯罪をすることを防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者が善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるとともに,恩赦の適正な運用を図るほか,犯罪予防の活動の促進等を行い,もって,社会を保護し,個人及び公共の福祉を増進すること。

 

社会内において適切な処遇を行うことは,社会内処遇といいます。

 

更生保護制度の中心は,保護観察制度です。

 

保護観察は,社会内で行われるのは,この目的があるからです。

 

更生保護施設に入所したとしても,更生保護施設は矯正施設ではないので,社会内処遇であることには変わりません。

 

それでは,今日の問題です。

 

29回・問題147

更生保護法の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,矯正施設内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。

2 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。

3 犯罪及び非行を行うおそれのある者に対して,適切な予防活動を行うことにより犯罪を防ぎ,又はその非行性をなくし,自立と改善更生を助ける。

4 犯罪をした者に対して,本人との契約に基づき,適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,自立と改善更生を助ける。

5 犯罪をした者に対して,矯正施設及び社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,自立と改善更生を助ける。

 

この問題のように,同じような文章が並ぶ問題が時々見られますが,慎重に読まないとミスするので注意が必要です。

 

正解は,選択肢2です。

 

2 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。

 

正しく,「社会内において」となっています。

 

ほかの選択肢の誤りポイント

 

1 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,矯正施設内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。

3 犯罪及び非行を行うおそれのある者に対して,適切な予防活動を行うことにより犯罪を防ぎ,又はその非行性をなくし,自立と改善更生を助ける。

4 犯罪をした者に対して,本人との契約に基づき,適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,自立と改善更生を助ける。

5 犯罪をした者に対して,矯正施設及び社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,自立と改善更生を助ける。

 

この問題とそっくりな問題がかなり前に出題されたことがあります。

 

22回・問題147 

保護観察の目的に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,本人の申出に基づき,社会内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。

2 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,矯正施設内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。

3 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。

4 犯罪及び非行を行うおそれのある者に対し,予防的に社会内で適切な処遇を行うことにより,これらの者の自立と改善更生を助ける。

5 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより,これらの者が生業に就く機会を保障し,社会的に自立し改善更生することを助ける。

 

正解は,選択肢3です。

 

3 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。

 

正しく,社会内となっています。

 

そのほかの選択肢の誤りポイントは,以下のとおりです。

 

1 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,本人の申出に基づき,社会内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。

2 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,矯正施設内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。

4 犯罪及び非行を行うおそれのある者に対し,予防的に社会内で適切な処遇を行うことにより,これらの者の自立と改善更生を助ける。

5 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより,これらの者が生業に就く機会を保障し,社会的に自立し改善更生することを助ける。

 

保護観察は,本人との契約でも申し出でもなく,裁判所によって,保護観察に付された場合に実施されます。

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