その割に問題数が少ないので,過去3年間の過去問をメインにした勉強では,かなり対応が難しいと言えます。
もしこの科目が苦手であったとしたら,もう一度今まで使っていた参考書を見てみましょう。必ず新しい発見ができるはずです。
さて,今回はごどもに関する各種手当とサービスについて取り上げます。
まずは,手当から・・・
<児童手当・児童扶養手当・特別児童扶養手当の違いの整理>
児童手当は,児童が15歳に達する日以後の最初の3月31日まで支給されます。
・注意点
児童手当の支給期間 ➡ 児童が15歳に達する日以後の最初の3月31日まで。
同法が定める児童の定義 ➡ 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者。
支給期間と定義では年齢が違っています。要注意です。
児童扶養手当は,一人親等のこどもに対して支給されるものです。
児童扶養手当の支給期間 ➡ 児童が18歳に達する日以後の最初の3月31日まで。障害のある場合は20歳未満まで。
併給禁止 ➡ 公的年金受給者は併給できません。しかし児童扶養手当よりも公的年金額の方が低額であった場合には,差額分が支給されます。
支給制限 ➡ 所得によって,手当の全部又は一部の支給が停止されます。
特別児童扶養手当は,在宅で精神又は身体に障害のある20歳未満の児童を監護している父母または養育者に支給されるものです。在宅が条件なので施設入所している場合には,支給されません。
次に医療です。
育成医療 ➡ 障害者総合支援法による障害児に対する医療です。
養育医療 ➡ 母子保健法による未熟児に対する医療です。
さて,これらを押さえたところで,今日の問題です。
第22回・問題139
子どもに関して給付される手当やサービスに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 特別児童扶養手当は,障害児の父若しくは母がその障害児を監護するとき,その父若しくは母に対して支給される。
2 自立支援医療とは,未熟児に対しその養育に必要な医療の給付を行い,又はこれに代えて自立支援医療に要する費用を支給することである。
3 児童手当は,父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するために当該児童に対して支給される。
4 児童扶養手当は,子どもが児童福祉施設に入所している家庭に対して児童扶養手当を支給することにより,次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的とする。
5 養育医療とは,障害児等につきその心身の障害の状態の軽減を図り,自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療のことである。
一つひとつはそんなに難しくないことが分かるのではないでしょうか。
法制度に関するものは,ちょっとしたポイントを押さえることでぐんぐん実力がつくのが特徴です。
さて,それでは詳しく見ていきましょう。
1 特別児童扶養手当は,障害児の父若しくは母がその障害児を監護するとき,その父若しくは母に対して支給される。
障害児に対する手当 ➡ 特別児童扶養手当
よって正解です。
2 自立支援医療とは,未熟児に対しその養育に必要な医療の給付を行い,又はこれに代えて自立支援医療に要する費用を支給することである。
未熟児に対する医療 ➡ 母子保健法の養育医療
よって間違いです。
自立支援医療は,障害者総合支援法に基づく医療で,障害児に対する「育成医療」,身体障害者に対する「更生医療」,精神障害者に対する「精神通院医療」があります。育成医療と更生医療の支給決定の権限は市町村,精神通院医療の支給決定の権限は都道府県です。
3 児童手当は,父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するために当該児童に対して支給される。
一人親等の児童に支給 ➡ 児童扶養手当
よって間違いです。
4 児童扶養手当は,子どもが児童福祉施設に入所している家庭に対して児童扶養手当を支給することにより,次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的とする。
児童扶養手当 ➡ 一人親等の児童に支給
児童福祉施設に入所している家庭に支給されるものではありません。
よって間違いです。
5 養育医療とは,障害児等につきその心身の障害の状態の軽減を図り,自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療のことである。
障害児に支給 ➡ 育成医療
よって間違いです。
<今日の一言>
第27回には,特別扶養手当で一問出題されています。
今日は,そこは触れていませんが,それも合わせて覚えておくと,ほぼ完璧です。